メロスが王に怒ったように私もこの世界に怒る権利はあると思う

だって

ここよりいい世界はないとか私に言うから

逃げ出すように走った

メロスは友達を助けるために走ったけれど

私はここよりいい世界はないという王様たちから逃げた

メロスの友達もやがて王になる

ここよりいい世界はない

戻っておいでなんていう

私は着の身着のまま王様たちから逃げた

辿り着く先がどんなものか予測できない

変な自己満足と優越感で

いずれは死ぬかもしれない

喧噪のスクランブル交差点を抜けて

雑踏をかき分けてただ走る

絶滅しそうな言語を話す

一回はどこか有名な場所で

皆さん王様になるんですか？って

馬鹿みたいな言葉を吐いて

驚かせたい

人生は楽しんだほうがいいよと

道行く長老にいわれた

はーいなんて言いながら

今日も走る

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