寧々(澄寧)の宮仕え《2》
あの後。
早朝の薪割りを終えた
「おはようございます、みなさん」
「あ、
厨の入り口で挨拶をした澄寧にまず初めに声をかけたのは、この離宮で料理番をしている
ちなみに彼女はこの離宮の最高齢の女官だそうだ。
年の頃は
だから澄寧は、
「ええ、構いませんよ。この
と気前よく応じることにしていた。
そのまま、和え物の大皿を手に持って、食堂に向かう。と、その道中である人の姿を見つけ、澄寧は慌てて頭を下げた。
「おはようございます、
「おはよう、寧々。玉安様はもう少ししたら、いらせられますよ」
そう、この離宮の筆頭女官である
事実、香璘は、滅多なことでは動じないような芯の強さを持っていた。
その筆頭女官は言葉を続ける。
「毎日毎日、他の者の手伝いをするとは感心ですね。これからも、そうやって励むように」
「はいっ!」
澄寧は元気よく返事をした。
厳しい人ではあるが、きちんと人を見る目が香璘にはあった。
こうして小さな離宮の朝は、慌ただしくも賑やかに過ぎていったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます