眠り猫

「ねこちゃんだ」

私が発した一言で家族の動きが止まりました

兄は俯き、3人は見開いたまま兄を見つめてました

私だけが

「ねこちゃん、ねこちゃん!」

とはしゃいでたと母は懐かしそうに言ってました

***

「なんで家に猫を連れてきたの!?」

私は母の前で俯きながら正座する兄の姿がとても可笑しく思いました

普段、明るく活発だからあんなに静かな兄を見たこと無かったそうだからです

「だって…カワイソウだったから」

「可哀想だからって猫を連れて帰ってきちゃダメなの」

「なら、ママは道でびしょぬれのねこをほっておけるの?」

「それはぁ…」

こんなやり取りを1時間くらい続けたそうす


その頃の私は猫と一緒に寝ていたそうで

祖母がその当時の写真を収めてました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鳴かない猫と少女日記 Maruru @mareku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ