鳴かない猫と少女日記

Maruru

雨の出会いはカッパで繋がる

ペラペラと捲る本に音はなくて……



これは、鳴かない猫に泣かされた私の物語



「****」

「ニャー………」


***

私が5歳の頃の話です


ある雨の昼時

我が家に1匹の子猫がやって来ました

子猫が我が家に来たのは兄が連れて帰ってきたのです

当時6歳の兄は新品のカッパに身を包みウキウキとしながら雨の中外へ遊びに行った

しかしものの数分で雨に濡れた兄は帰ってきまし

しかもわざわざカッパを脱いで何か包んでいたのです

兄の姿に母と父と祖母は驚き大慌てでタオルやら拭きものを取り出していました

しかし、この時の私は家族の震え声も騒がしかった足音も耳に入りませんでした

何故なら私には他の音が聞こえたからです

その声の正体は兄がカッパで包んでいた中から聞こえました

「ナァ……」

か細く鳴きながら顔を覗かせて私を見ていましま


これが私と猫の出会いです

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