-3-「陽無の森」
③
公園の隅にある森に足を踏み入れたヒカル。
その為かこの地帯の気温は数度低く、ひんやりとした冷たい空気が流れていた。
それ以外にも涼しく感じさせている“
陽無の森には昔から色んな
一度立ち入ったら出ることは出来なくなるとか。
などと子供を
それは大人たちが子供たちを森に立ち入らせないための“
それに今は
昔のほどの深い森ならいざ知らず、今なら迷うこともない。
とは言え、この場所独特の雰囲気と先の噂や伝説のこともあり、
「さっさと通りぬけよう」
と、足早で森を進んでいく。
ふと、これまでの夏休みの思い出を振り返った。
おそらく夏休みの半分は友達と遊んでばかり過ごしていた。
夏休みらしいイベントとして
せっかくの夏休みなのだから海外旅行をするくらいの
海外旅行なんてものはヒカルが生まれる前、いわゆる親の
親はヒカルを連れて、いつか一緒に行きたいと言ってはいるが、いまだに叶えられてはいない。
といってもヒカルは
いや、旅行そのものに興味が無かった。
神社・仏閣巡りも、古い
旅行に行くぐらいなら、家でゴロゴロしてゲームをしていた方が楽しい。それかゲームセンターや
旅行よりも
本当はそっちに行きたかったが、先の旅行で行けずじまい。
隠しモンスターはゲットできなかったのが夏休みの最大の心残りとなった。
なぜならば、そのモンスターが入手できれば、全モンスターのコンプリート(全種類獲得)できたからだ。
その後、なんとか手に入れようとしたが、スーパーレアなモンスターをゲット出来た友達が
インターネットの
今にして思えば、ゲームをしていた時間を夏休みの宿題に
しかし、
そもそも小学生にとって夏休みは短すぎるのだ。それに、まだまだ遊び足りなかった。約四十日間、毎日遊び尽くしていたとしても。だから
「時間とかが戻って、もう一度夏休みを過ごせないかな‥‥」
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