見返りを求むることを恥とせむ愛は与ふる徳にしにあれば

【読み】

 みかへりをもとむることをはぢとせむあいはあたふるとくにしあれば


【大意】

 見返りを求めることをわが恥ともしよう。およそ愛とは見返りを求めることなく他者に与える徳をいうのであるから。


【附記】

『ツァラトゥストラはこう言った』(別邦題『ツァラトゥストラはかく語りき』)でニーチェが愛をそのように表現していた気もする。わたしも人と生まれて、愛に生きて愛に殉じたい思いもある。

 金銭等を介するやり取りで正当な対価を求めることに大きな問題はないと思う(なにせ「正当」だから)。問題は、それとは異なる種類のやり取りで見返りを求めることである。わたしにも見返りを期待する気持ちがある。その事実は恥とするに足ることであると考える。

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