※注 短歌ではなく旋頭歌を載す とかくして公の場にスマートホンをのぞき込むひとりとわれもなりにけらしも

 とかくしておほやけにスマートホンをのぞきむひとりとわれもなりにけらしも


〔語釈〕

「とかくして」は、何やかやして、あれこれして、そうこうして、ということ。

「スマートホン」はスマートフォン。

「なりにけらしも」は、なってしまったらしいなあ。なってしまったようだなあ。


〔訳例〕そうこうして、公の場でスマートフォンをのぞき込む人のひとりにわたしもなってしまったようだなあ。


 表題の歌は、五七七五七七の六句の形式を取る「旋頭歌せどうか」と呼ばれる形式の和歌。短歌にできないこともなかったがこのほうが納まりが良いように思ったのでした。一首だけのために新しい小説?を作成するのもなんだと思ってこちらに置くことにした。今後短歌形式意外の歌が増えることになれば作品の名前を変えるなどの措置を取ろうと思う。


「公の場」とは、具体的には特に電車内を想定していった。私がスマートフォンを持つようになってしばらくするまでは、電車内で多くの人がスマートフォンを操作している光景に違和感を覚えて自分はそうならないだろうと思っていたが、今では電車内でスマートフォンを操作することに対して大した抵抗もなくなった。


 歴史的仮名遣い(旧仮名)で書く場合「スマートホン」は「スマートフオン」としても間違いではないかと思うが、日本語にもともと「ふぉ」の音がなかったことを思ってそう表記した。


〔参考歌〕

萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花 山上憶良

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