Sazanamiさま

初めまして。@syukitadaと申します。
この度は企画に参加して頂き、ありがとうございます。

まず、文章に問題はありません。叙情的かつ読みやすい文体に仕上がっていると思います。

ペトリコールとは、雨が降ったときの土の匂いを示すそうですね。
この題名と内容をどのように捉えるべきなのか、すいません、私には上手く分かりません。
内容を額面通りに受け取れば、最後に二人には奇蹟が起きているのでしょう。
しかし、私には

＞涙の痕はいずこへ消えた。
　それでいい、それがいい。
　ペトリコールは、忘れてしまえ。
　だけど。
　貴様が残してくれた不器用な匂いだけは忘れさせるな。

最後のこの部分が理解できないのです。『貴様』とは誰を指しているのでしょう。
私の感じたことでは、雨は当然「涙雨」を暗示していると思います。ペトリコールが消えたということは、悲しみが癒された。イコール二人には奇蹟が起きているということなのでしょうか。
ただ

＞流したい涙が枯れた後、土の匂いが浸みついたシャツには、淡い空色が滲んでいた。

という表現もあります。
「涙が止んだ」ならば悲しみが無くなったと捉えることができます。しかし、「涙が枯れた」だとまだ悲しみは続いているのにもう涙を流せない。つまり、二人に奇蹟が起きているのか疑問になってきます。
二人の奇蹟は幻想なのか、否か。これを考えるには、もう少し時間が必要です。

すみません、私は俗に言う文学の「行間を読む」というのができませんので、こんな感想になってしまいました。
ただ物語を単純に捉えた場合の読後感は素晴らしいです。こんなご都合主義があってもいいじゃないか、です。