第74話

甲斐犬黒蜜のお使い〜もう一つの物語

と言う話を書きました。

forest storyを分けたみたいなバージョンですかね。


1話目は甲斐犬黒蜜のお使いと同じですが

2話からマッタリとした感じのお使い中心のお話しです。

もう一つの蜜ちゃんのお話しを楽しんで下さい


https://kakuyomu.jp/works/1177354054883974912/episodes/1177354054883974942


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真っ黒に塗装された火星将軍ロボが爆炎の中に消え去った。

「うーぬ!魔女っ子戦隊ハイカラ娘め!今回は見逃してやる。次こそはおまえらを墓場に送ってやるからな!」

白い軍服に白いマントを羽織った白龍さんが小型のUFOみたいな乗り物に乗り込みながら捨て台詞と共に飛び去った。

黒革のボンテージ衣装を着て顔を煤で真っ黒にした私が火星将軍ロボの上げている煙の中から這い出てきて。

「白龍将軍〜置いてかないでくださいませ〜」

と言いながらUFOを追いかけて行く私の背後で魔法のバトンを持ってポーズをキメている三人の魔女っ子。

右側に黒いとんがり帽子に黒いミニスカセーラー服の黒蜜おばば。

中央のピンクのとんがり帽子にピンクのミニスカセーラー服の餡子さん。

左側に青いとんがり帽子に青いミニスカセーラー服のバーバ・ヤーガ。

彼女達は【魔女っ子戦隊ハイカラ娘】。

悪の魔族カミーラ率いる世界制服を企む組織【クローダ】の野望を阻む為に冥府魔道からやって来た魔女っ子なのだ。

ネーミングセンスが古いのは歳のせいだけど見た目は若いから押し切るわ!。


魔法薬の調合が終わり時間が出来たバーバ・ヤーガ。

日本文化を学ぶ為にアニメを手始めに見だしたが、最初に見た魔女っ子物と次に見た戦隊物の実写に嵌る。

餡子さんが黒蜜おばばの所に遊びに来て皆でお茶を飲んでいる時にバーバ・ヤーガが言った。

「ねえ、私達って魔女よね?それで私達三人共可愛い女の子なのよね?これって魔女っ子じゃあ無い?三人で悪の組織を倒す正義の魔女っ子になりましょうよ!」

「えー!私も前から思ってたんだ!魔女っ子になりたいなぁって。やりましょうよ蜜子姉さん!」

餡子さんやる気満々。

「悪の組織なんて何処にいるのよ?一体」

現実的な事を言う黒蜜おばば。

「居ないなら作れば良いのよ。暇を持て余していて暴れたがっているカミーラお婆様にやって貰えば良いのよ」

と事も無げに言う餡子さん。

餡子さんの顔を見ながら無言で考えている黒蜜おばば。

「お婆様と父さんのガス抜きには丁度良いわね・・・やりましょう魔女っ子」


早速カミーラお婆様に話を持って行くと大喜びで引き受けてくれた。

大福さんは悪の科学者ダイーフク。

たまたまカミーラお婆様の所にいた私は悪の組織の女幹部コクーヨウ。

何故か本人に相談無しで白龍さんは悪の組織の大幹部、白龍将軍に決まった。

黒尽くめで目出し帽を被った戦闘員は人狼一族の若い人でと言う事に。


カミーラお婆様のコネで埋め立て途中の人工島を借りて巨大ロボットと魔女っ子の戦闘をやる事になり先程の戦闘シーンが展開された。

紅さん率いる撮影チームがクレーン車を借り出し一部始終を撮影している。


「カーット!良かったわよ魔女っ子さん達。蜜ちゃんお疲れ様」

クレーン車の下から姿を現した私に紅さんが濡れたタオルを渡しながら言う。


数匹の使い魔が細い糸で引き上げ飛ばしていたUFOの張りぼてが降りて来て。

「悪の組織の将軍なんて最初は嫌だったけれどもやってみると面白いねぇ。蜜ちゃん、魔女っ子に負けて逃げる時の僕の捨て台詞は決まってたかい?」

「私を置いて逃げるだけなんて白龍将軍酷いですよ!私なんて恥ずかしい衣装を着て真っ黒になって追いかけて行くんですよ全く!」

顔の黒いメイクを落としてサッパリした私は白龍さんに怒りながら言う。


「はっははは!悪かったね蜜!真っ黒になって追いかけて来る女幹部は定番だろう?。それよりもこの後のカミーラお婆様のお仕置きシーンの撮影が憂鬱だよ。作戦失敗の報告をしたら床が抜けてランダムで地獄に飛ばされてお仕置きを受けるんだっけ?」

「釜茹でとか針山地獄とか軽めのですから大丈夫ですよ」

「蜜みたいに加護で護られていれば大丈夫だけど生身の身体にはキツイよ」

「白龍将軍なら大丈夫ですよ。地獄の獄卒さん達にも白龍さんのファンが居ますから後で一曲歌ってあげると言えば地獄の釜茹でもお風呂くらいに加減してくれますって」

「そうか!地獄にも僕のファンが居るのか?ならばマイクを持って地獄に行かなきゃいけないな」


そこに魔女っ子の三人がやって来る。

「蜜〜良かったわよ火星将軍ロボの爆破シーン。真っ黒になって出て来るのも中々出来ないわよ蜜」

黒蜜おばばが魔法のバトンを振り回しながら言う。

「蜜〜その革で出来たボンテージ衣装良く似合うじゃあ無い。鞭を持って手下を叱るなんて良さそうね・・・紅さん小道具で鞭追加して!」

餡子さんが悪い笑顔で紅さんに叫んでいる。

「シナモン!タオル持って来て〜」

シナモンが、白いマイクロバスからタオルを持って走って来る。


スケジュール表を見ながら紅さんが。

「主題歌とエンディングに白龍様のテーマと蜜ちゃん用の挿入歌に悪の組織のカミーラを讃える曲をこの後スタジオで録音してと。蜜ちゃん地獄の軍団を呼び出して暗闇で眼を赤く光らせながら行進する姿を主題歌のバックで流れる画像で使いたいけど話しは付いてる?それと第二話に人郎を魔法薬で巨大人狼怪人にさせて街を破壊する予定だけど蜜ちゃんあの子のスケジュールは大丈夫かしら?」

「はい、地獄の軍団はノリノリでやってくれるそうです。人郎さんは会社の人に『居ない方が仕事が捗る』と言われて落ち込んでいたので問題ありません」

額に手を当てる紅さん。

「息子の先行きが不安だわ・・・蜜ちゃん息子を見捨てないでね・・・」

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