第3話 淀み
骨「いくらなんでも、早くないか?」
情報社会である以上、一度ネタに上がってしまえば、しつこいほどに燃やされるのは判るが秘密主義的な面があるこの高校の内部情報が流れ出すのがあまりに早すぎるのではないか、と、隣のちひろに投げ掛ける。
ち「そうかもしれないね。考えたくはないけど、身内から情報がリークされてるのカモ。」
高校のあり方とか表向きな内容が取り立たされ批評される分には、元々アンチが多かった改革であったし多少の白波が立つのは判る。
だが、目の前の新聞は高校の裏の顔まで匂わせていた。
ち「表向きには、最近激化するテロへ対策できる人材の育成確保だが、一部では落ちこぼれのレッテルを貼った生徒を実地訓練と称し汚い仕事をさせているとの噂もある。ってねぇ。」
骨「この学校の一般生徒もそこまでは詳しく知らねーよ。」
ち「それ、な。せいぜい知ってんのは、裏部隊があるってことくらいだよね。」
骨「しかも学校の七不思議レベルの噂な。」
実際に部隊があることを認識してるのは、自殺部隊のメンバー、一部教師陣、あとは数人の風紀委員と生徒会位だと二人とも考える。あとは、叛闘高校のメンバーだが。
ち「叛闘高校は違うよね。あそこはよくも悪くも闘いでこちらと決着着けたいわけだし。」
骨「ああ、それに武装高校自体がなくなればあっちの高校も同じように潰されるだろうから意味がないだろ。」
ち「うん、やっぱり、身内かぁ。」
そう呟きながら考えたくないというように新聞を見ていたタブレットの電源を落とす。
骨「あー、なんにしろ胸糞悪ぃ。」
ち「ほんとだよ、全く。珍しく、真面目に学校行こうなんて考えるもんじゃないね。校舎までたどり着けもしないんだけど。」
普通学校が叩かれ、学校が囲まれるにしても門の外で囲まれると思うのだが、広大すぎる学校施設が仇となったのか、学校の敷地内まで撮影目的と思われる車や人がちらほらいた。
骨「まともに廃校舎入ったら死にそうだよなぁ。遠めの駐車場に車止めて周囲うかがいながら入るか。」
ち「めんどくさ。さぼりたーい!」
骨「今日に関しては同感だ。」
走ってるだけで威圧感と存在感のあるアメ車を運転している時点でマークされているのだと二人が気づくまであと少し。
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