第2話覇王学園入学
初日から遅刻はさすがにまずいからな。そう思い、走って学園へむかった。
実際に学校に着いたらもう入学式が始まっていた。・・・普通に遅刻じゃねーか!!
ここは私立覇王学園。敷地面積は東都ドーム8個分の広さをもつ大きな敷地。
敷地内にはコンビニや日常品を売っている雑貨店、大きなグラウンドに闘技場、室内プールやトレーニングルーム、図書館もあり日本の中でも大きな学校だ。
体育館
「みなさん入学おめでとうございます。私はこの私立覇王学園の学園長、神崎舞姫です。これから3年間ここで固有武装について学びます。そして、現在世界各地で固有武装を使った戦争が起きているのは知っていますね。ここで固有武装について学び、将来戦争の前線に立つために精進していきましょう」
学園長の名前は神崎舞姫、聞いた話によると彼女はWOC(世界固有武装適合者連盟)に所属していて元世界ランク4位だという。
「この学園はクラスを決めるために能力値を調べています。なので午後1時に本館二階の測定室にて能力値の検査をします。遅れないようにしてください」
能力値とは魔力量、魔力制御、攻撃力、防御力の4つの能力のランクのことで、固有武装を使っている状態での力を測定するらしい。
能力値のランクとバランスがいい人ほど固有武装適合者のランクが高いということになる。ただし、バランスがよくても能力値のランクが低ければランクは低くなる。
ちなみに、学園長の神崎舞姫の能力値のランクは魔力量B+、魔力制御A、攻撃力A、防御力A、適合者ランクAランクである。
午後1時、測定室。
「ということで今から能力値の測定を始めます。なので固有武装を使用してください。固有武装を使用できない、持っていない人は検査前に申し出てください」
能力値の測定が始まった。次々と測定が終わり遂に誠一郎の番になった。
測定が終わった。
「これで測定を終わります。検査の結果は明日生徒手帳に表示されます。そしてクラスの発表は明日、生徒手帳に表示されます。お疲れ様でした」
明日、クラスと能力値、適合者ランクがわかるぞ。明日が楽しみだ。
放課後、俺は学生寮にむかった。学生寮は1年~3年までのすべての学生が使用している。
確か部屋番号は140号室で一階のはずだ。部屋の前に立ち、鍵を開け中に入った。
すると、朝見た女の子が着替えていた。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・きゃあーーー!!何で勝手に鍵開けて入って来るんですの!!」
女の子は顔を真っ赤にして殴った。拳が顔にクリーンヒット。まさかルームメイトが女の子だとは。
「まさか私を襲いに来たとかそんなんじゃないですわね!私の裸を見てただじゃすまないですわよ!」
「そんなわけねーだろ!!大体女の子がルームメイトだと思うかよ!」
「あなたの話はどうでもいいの!こうなったら決闘よ決闘!」
俺の話なんて聞いちゃいない。
「何でそうなるんだよ!」
「絶対に来るんですのよ絶対ですわ!」
終わった。入学当日にもう決闘を申し込まれるとは。
その後、俺は部屋から追い出され、一人途方に暮れていると、一人の男子生徒に声を掛けられた。
「そこの君、ここで何してはるん?」
「同居人に部屋から追い出された」
「そら災難やったなぁ。ほなうちにきはるか?」
思わぬところから助けが来た。とりあえず野宿は免れた俺であった。
「わしの名前は、西門正春。君の名前はなに?」
「俺の名前は、赤城誠一郎、これからよろしく。あとお前のこと正ちゃんって呼ぶわ」
「こちらこそよろしく。」
俺は正春と握手した。
目の前のツンツンヘアーの男は西門正春といい、京都府出身の一年生らしい。
固有武装を使えるようになったのは、今から一年ほど前だという。
「それで、なんで正ちゃんっていう呼び方なん?」
「正春って正しい春って書くんでしょ?正しいはしょうという読み方もあるから、正ちゃん。わかった?」
「そういう意味やったんやな」
やっと理解したわーみたいな顔をして言った。
「あんたのお父ちゃんってもしかして赤城栄二郎なん?」
「そうだけど」
まさか赤城栄二郎を知ってる高校生がいたとは。少し驚いた。
誠一郎の父親、赤城栄二郎は18年前に引退してから、姿を隠していてWOCでも行方はわかっていなかったみたいだ。
「そらすごいな。赤城栄二郎のぼんに会えたんもなんかの縁やな」
西門は興奮しながらそう言った。
「そういえば正ちゃんの固有武装ってどういうやつ?見せてくれよ」
「わしの固有武装?ええよみせたるわ」
そう言って西門は自分の固有武装を出した。そこにはペンデュラムがあった。
「それが正ちゃんの固有武装?名前は?」
名前を聞いてもわからないとは思ったが、一応聞いてみることにした。
「こら想現(おもいうつつ)っていう名前の固有武装だよ」
「それってどんな能力をもってるの?」
教えてもらえるようなことじゃないとは思うが一応聞いてみた。
「そら教えられへんなあ」
やはり予想していた通りの答えだった。
「それじゃあ、君の固有武装もみせてくれへん?」
彼は俺が固有武装をもっていないことを知らないようだったから事実を教えることにした。
「俺って固有武装、まだもってないんだよ」
「は?」
びっくりして固まっている正春。
「いや、固有武装持ってないんだって」
「ほなどないやってこの学園に入学してきたん?」
その疑問は当たり前に誰でもが思うことだった。何故なら、この学園には固有武装を使える者が集まっていて使えない者は学園都市内の別の学校に行くからだ。
「それがおれにもわからないんだよ」
本当だ。俺の父さんと稽古しているとき、父さんに固有武装はうちにはないといわれていたからな。
「ほな今までの言葉そのまんま信じる訳にはいかないな」
それは確かにそうだ。素性のわからない相手に背中は見せられない。それなら、
「これならどう?俺の武器を正ちゃんに渡して、正ちゃんの固有武装の能力を俺に教える。それならいいだろ」
「そないならこっちもひとつええか?明日、追い出された女の子と決闘するんやろ。それをわしが一番みやすい位置に座り品定めする。それでどう?」
そうくるか。だが、自分のクラスには仲良くなれそうな人物がいないしそれ以前に断る理由もない。友達をつくるチャンスをそう簡単に棒に振るわけにはいかない。だから、
「わかった。それなら早くやろう」
こうして俺は武器を正ちゃんに渡し、正ちゃんの固有武装の能力を教えてもらった。
正ちゃんの武器の能力は自分の頭の中で考えたことを創造する能力だった。
「よしこれで交渉成立だ。それじゃあ飯食いに行こうぜ」
正ちゃんに了承をえられた。今から二人で飯を食いに行く。
飯屋からかえってきて、
「明日も早いからもう寝よう」
「そやな。ほなおやすみ」
俺と正ちゃんはもう寝ることにした。
明日はクラスと能力値の結果、適合者ランクがわかる。
放課後には決闘もあるから俺はすぐに寝た。
続く
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