05
俺は、この夜、魘されて、起きて、また眠る。何度繰り返しただろう。もう起きてしまえばいいと思ったが、体は睡眠を求めている。今日くらいはゆっくり寝たい。でも、これでは全く休めない。
((あぁー...なんか体が重い...そして暑い...なんでこんなに体がだるいんだ...暑い...あつい...重い...布団はそんなにたくさんかけてないっていうか、タオルケット一枚しかかけてないのに、なぜ...こんな...⁉あれ?え...?は...?動かない...。体が動かない!?足とか手とか首とかが全部同時につってるのか⁉体の全筋肉がつってる...いいや、ちょっとまって...え?なんかヤバい。苦しい。痛い。なんだこれ...思いっきり何かで体を縛られているような...まさか、俺、人生初の金縛り体験中!?!?
あー。金縛りってこんな感じなのかー…。って、のんきなこと言ってる場合じゃねぇ!!でも、これどうすればいいんだ!?ってか、マジで金縛りなのか!?悪い夢とかじゃなくて?てか、俺、目開けてるつもりなんだけど、開いてんのか開いてないのかわかんねぇ...なにも見えない。))
「%〇&...*#□...」
((おいおいおい、なんだなんだなんだ!?なんか声?音?なんだかわからないけど聞こえるし。いや、聞こえちゃった俺はかなりやばい?))
「#$%&*?」
((今までの疲労?はぁー、過労死とか嫌だ...。てか、そんなに、この体を追い詰めてたのか。とにかく、この状況をどうにかしないとな...))
とはいっても、全く身動き一つできない。
((俺は、まだまだやらなきゃいけない仕事が残っているんだ!てか、まだ、死にたくない。))
あいかわらず、体は硬直してる。
俺は、無理に動こうとしないで、しばらく大人しく待ってみることにした。
しばらく放置してみた結果、なんか、いけそうな気がした俺は、まず、このタオルケットをどかそうとした。が、、、
((ん?あれ?...え、なんだこれ、取れない。どうなってんだよ…。))
何度も引っ張ってはみるものの、全く取れない。まるで、俺とタオルケットを縫い付けているみたいに。
((ダメだ、全然取れない...。こうなったら、もう、やるしかないな。))
取れないなら、このまま起き上ればいいと考えた俺は、この体を起こす作戦に変更した。
((まぁ、この感じだと、起き上がれる可能性は、ほぼ不可能だが。
ふぅー...よし...。
起き上がれ!!!!俺の!!!!からだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!))
「$%&#*!!!」
また、なにか聞こえる。
((・・・。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ...まじで?))
全く動かない。
いや、もう一度!
((おりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!))
((はぁぁぁ!!))
((どりゃぁぁぁぁぁぁ!!!))
((はぁ...はぁ、はぁ...まじ…。もう、なんで、こんな…。))
その後も、何度も何度も戦ったが、俺の体は全くというほど微動だにせず、ただただ、体力を削っただけの結果となった。完敗だ。
((もう...ムリ...))
<ドスッ>
((うっ...))
突然、思いきりなにかで殴られたような痛みを腹に感じた。
意識はもうろうとし、視界は相変わらず霞んでいたが、俺は目の前に何かいることはわかった。のだが、、、
((えっ!?!?))
今、この起きている状況が、現実なのか夢の中なのか、それ以外なのか、わからないが、俺の目の前に、少女がいる。俺の目には、女の子が見えている。俺の上に、女の姿形をしたなにかがいる。
((...!?!?!??))
「$%▲...&#*〇...」
なにか言っているようだが、今の俺は理解できる言葉を聞いたとしても、その言葉が異国の言葉に聞こえる。まず、冷静でいられるはずがない。俺は、この状況を理解できずにいる。全く頭がおいついていない。放心状態になっている。この状況を受け入れることで、俺を開放してくれるなら、受け入れることが、今は正しい選択肢なのだろうけど、頭が全く機能していない。
((なんだ!今度はいったいなんだ!何が起きてんだよ!))
俺は、目の前に見えてしまった物体を心の中で、何かの間違いであってくれ!と強く念じて、もう一度、恐る恐る目を開ける。
((...はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!??!?!?))
やはり、見えてしまっている。俺の上に、いる。しかも、俺は、目の前の物体をしっかりとこの手でつかんで...ではなく、俺の手に何か押し付けられているモノが...触れているカンショクがリアルすぎる。見た目は本物そのもの...あ、いや、違う。俺が物心つく頃から今の今まで本物をリアルで確認したことはないから、本物か偽物かは比較のしようがないのだが、、、
((...なんか、やらかい。って...ちょっ...んっ!!!...////))
「$%&?%&$...///」
((...コイツ!!なにして...////))
「#$%&////...#$%?」
((おいおいおいおい!!!!こんなのありえない!!!そうだ、これは悪い夢だ!!!...だとしても、幻聴も幻覚もこんなリアルなのか...もう、キャパオーバーをオーバーしすぎだ。こんなの、ありえない!そうだ、俺は、きっと、生命をさ迷っているのだろう。こんな俺に、”最後くらい、ちょっといい夢見させてやるか”とか、なんとか思ったどこかの神様とか、そういう類の誰か様からのご褒美なんだ。まぁ、ただただ怖いだけだよ、正直。そして、かなり痛めつけられ、苦しめられて散々だ。しかも、あんなこと...///。もうわけわかんねぇ...とにかく落ち着け俺!!))
「$%...#$&%...」
また何やら聞こえたが、俺はいったん何も考えず深呼吸。
((ふー、とりあえず、今の状況を整理しよう...))
当然だが、現在地は俺の部屋だ。そして、今、俺は俺のベッドの上で仰向けになっている。ここまでは何の問題もない。だが、ここからが問題だらけだ。俺の体の上に、知らない子がいて、俺はコイツのせいで身動きが取れない状態にいる。コイツが俺の上にいるという話以前に、なぜ俺の部屋にいるのか、その時点からおかしい。てか、お前誰だよ!どうやって部屋に入ったんだよ!不法侵入だからな!てか、なんでそんな格好...////!とか、色々ツッコむところしかないけど、話が進まないから、ひとまず、この物体、コイツの存在は受け入れることにしよう。
((もう、なんだかバカバカしく思えてきた。これは夢だ。かなりおかしいけどな。まぁ、夢だからありえないことが起きてもおかしくはないか。))
この状態になってから、どれくらい時間がたったのだろうか。もう、目も覚めてきた。
((あぁー、ほんと、もう、どいてくれないかなぁ...重いし、痛いし、暑いし、、、このままこの状態でいたら、ほんとに死んじゃう気がしてきた。よし、もう一度だけやってみるか。これで最後にしよう。あと一回やって、だめだったらもう諦めよう。夢・・・だと信じて。))
もう力尽きていた俺は、そっと優しく触ってみた。
((あれ?あっさりとれたな...これでやっと…。))
と思ったのだが、、、俺の目にとんでもない光景が映った。
((...ちょっ!?!?!?/////今のは、、、何だ...まさか!?アレは...いや、そんなはずない!幻覚...俺の妄想...なんかしていないけど!))
なぜか緊張しながら、もう一度確認した。が...
((これは、その、つまり、アレだよな。アレだ...(ゴクリ…。)えーっと、、、パ、ぱ、ぱぱぱ、ぱぱぱぱぱっぱぱ、ぱぱぱん、ぱんん、パン、ぱ、ぱん、パン、、、ぱぱぱんぱんぱんぱん。つ.../////))
「#$%&*...////」
((いやいやいや!!!(汗)もう、勘弁してくれよ…。))
「%#$&...%##$!!!!%〇#&□#$*△!!!!!!!!!」
<ドスッ...ドスッ!!ドスッ!!>
「...がはっ...ぐはっ...((いたい))」
俺は仕事が恋人と思っているほど重度の仕事人間だ。でも、まぁ、別に、そういうものに反応しないわけではない。一応、俺だって男だ。だが、いくら女性との関係にご無沙汰だとしても、決して、こんな...まさか!幻覚をみてしまうほどに重症なのか!?俺の体は性的欲求が満たされていないのか!?おい...俺の体よ!どうなんだ!
((今まで全く気にしていなかったが、そういえば、最後にしたのは...。いつしたんだ俺...。あれ?ん?まて、うそだ、ウソだウソだウソだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!俺、、、俺って、まさか、まさかだよな、えーと...!!は、はは、はははははは、はははは...ってぜんっぜん笑えねぇー!!!!!!!うわぁー、こんなこと考えるんじゃなかった!!!思い出すんじゃなかった!!!ぁー...))
仕事人間代表としては選手に選ばれても、性交代表には一生選ばれないどころか予選落ちならまだしも、その前に選手としてすら登録できない。そう、俺は、、、そう、つまり、、、アレだったのだ。”どうてい”。ドウテイ...。童貞...。DOUTEI...。ずっと避けてきた事実。今この事実を知った俺が一番驚いている。そして、誰よりも傷ついている。
((べ、べ、べべべ、べべつ、べつに、大した問題ではない!!俺と同じ奴はこの世にごまんといる!珍しいことじゃないだろ!てか、そそ、そういう、ことをしてこなかっただけで、べ、別に、ビビッてした、ことが、ない、、、とかじゃねぇーし!!!それに、別にしなくたって生きていけるし俺は今こうして現在進行形でちゃんと生存してるし!!まぁ、俺だって、そういうことに興味が#〇$%□&...うわぁぁぁぁ!!!!もう!!現実逃避してやる…。))
俺は、もう疲れた。いろんな意味で。
もうこの状況を受け入れてしまえばきっと楽になれる。今度、目を覚ました時には、普通にいつもの明日がくる、そう自分に暗示をし、もう一度、眠りにつくことにした。目が覚めてしまっていたが、ここで寝なかったら一生この夢から覚めることができないと思ったからだ。
((でも、あの顔、どっかで見たことあるような...んー、まぁ、気のせいだよな。よし、寝よう。もう一度目を覚ましたら、きっと、普通になんの代わり映えしない朝が来るだろ。こなかったら...いやいや、余計なことを考えるのはやめよう...。あんなことをされたが、カワイイ子だったな...どこかの神様、有難迷惑ではあったが、一応、お礼を言っておく。ありがとう。そして、今まで通りの普通の平凡でありきたりを俺に返してください。おやすみなさい。))
「$%&#*...」
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