第4話 太陽と猫と影
「水泳嫌だぁ〜日焼けしちゃう」
「十分白いじゃん!何言ってるの〜」
「えぇ〜そんな事無いよ〜」
…つまらない。退屈。昼休み早く終われ。
私は窓側の1番後ろの席で伏せている。
表向きは寝ているが、伏せているだけであって起きている。
なぜ寝ている振りをしているのか?
…そんなの、察して欲しい。
なつきは図書委員の仕事でいない。
私は読書が苦手で、本を読まない。
なつきは図書室ではずっと読書をしている。
だから、私は付いて行かずに伏せていたのだ。
でも、後悔。付いて行けば…良かった。
私は非常に暇なので、ここで全くしていなかった人物紹介をしようと思う。
まずは私。みつること、
高校2年生の美術部だ。これといって紹介する事が無い。困るほどに。
…まぁ、後々分かってもらう事にしよう、
次に、私の親友といえる珍しい存在。
前も書いたように、猫みたいな人だ。
すばしっこく、マイペースで愛くるしい。
そして面倒見が良く、いつもお世話になっている。
なつきとは同じクラス、同じ部活だ。
委員会は違うけれど。(ちなみに私は無所属だ。)
そしてもう一人、
私となつきと同じクラスで、陸上部に所属している。
クラスの中心にいつもいて、リーダー的存在だ。男女共に人気である。
前も書いたように、彼は太陽だと思う。
暗い私は眩しくて仕方がない。
まぁ、こんな所だろうか。
私が人と関わる事が少ない事がよく分かっただろう。(なんせ2人だけ)
なつきが猫。
いしだくんが太陽。
だとしたら私は…
「ねぇ、青峰さんいる?先生が呼べって言ってたけど。」
「青峰?」
「いないなぁ、今日休みだっけ?」
そう言って目の前を通り過ぎる女子。
伏せているから状況が分からない。
「わ!!!青峰いた!!!!」
隣で雑談していた男子が大声をあげる。
…そんな驚く事かよ。
「えっ、本当だ!!暗くて全然分からなかった〜」
クスクス笑い声が聞こえる。
顔、上げづらい。
「青峰さん!先生呼んでるよ?」
私の気持ちを露知らずポンポンと肩を叩かれる。
「あっ、ごめん…ありがとう、」
輪に戻った彼女が笑いながらこう言った。
「青峰さんって、影みたい」
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