第12話 二人のトラ船長④~帰還

 トラ船長がエアバイクの所に戻ると、ボンタが待っていました。

「トラ船長、だいじょうぶだった?」

「ああ」

「誰かとレーザーの打ち合いになったの?相手はどんなやつかなあ」

「やつはおれと似ていたような気もするなあ。もう一人の自分に出会ったような感じだ。さあ、マタタビ号に帰ろうぜ」

 そのとき、あわててボンタが鋼鉄のビルの隙間を指差した。

「あっ、マタタビ号が飛び立っていく・・・」

「気のせいだろう」

「今、あのビルの隙間から見えたよ」

「さあ、マタタビ号のところに戻ろうぜ」

ボンタとトラ船長が荒野に出ると、向こうのほうにマタタビ号が待機していた。

「確かにマタタビ号が飛んでいくのが見えたんだけどなあ」

「目の錯覚さ」

 二人はエアバイクでマタタビ号にはいり、ラットが待っているコクピットに戻りました。

「調査終了。さあ、ラット発進してくれ」

マタタビ号は離陸して鋼鉄の街を後にしました。

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