第7話トラ船長と宇宙の雲②~サラト星人の話
「うー、あー」
ボンタがうめき声をだしました。
「ボス、ボンタが気がついたようです」
「ボンタ、わかるか。目が覚めたか」
ボンタはうつろな目をしてひとりでしゃべりだしました。
「我々はサラト星人だ。かつてはここに住んでいた。しかし、我々の星が寿命を迎えてしまうことがわかったのだ。サラト星人は高度の文明を誇っていた。当然、多くのものは宇宙船団を組んでほかの移住可能な星をさがして旅立っていった。また一方で星といっしょに運命をともにするものも出てきた」
ボンタの話はさらにつづきました。
「我々は星に残りいろいろと考えた。星の消滅とともにからだはなくなってしまう。そこで意識と思考をからだから切り離すことを考えた。また、大きなコンピュータを持つ母船に一人一人の記憶を残すことも考えてみたのだが・・・」
「やがて長い時間を経て、強い思いを持つ集団の中から精神が離脱できた者が現れてきた。一人現れると少しづつ精神離脱のできる超能力者が増えていった」
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