第46話 誰が為
『ジュリエッタ』は『三日月』に食らい付いています。
「あなたを行かせるわけにはいきません」
「お前…消えろよ」
目に苛立ち、怒り、いつになく感情を表に出す『三日月』に呼応して『バルバトス』の目が光る。
『シノ』の回収を指示した『オルガ』しかしそれを止めた『ユージン』
「あいつが命張って作ったチャンスだろうが‼無駄にできっかよ。シノの野郎は鉄華団のために、お前のために逝ったんだ」
『ラスタル』のためにと戦う『ジュリエッタ』悲しいかな『三日月』には敵いません。
『ユージン』が『三日月』に撤退を命令するも拒否する『三日月』
「ダメだ。シノが失敗したんなら俺がやらなきゃ」
先の作戦で先行させた『ホタルビ』には『チャフ』が仕掛けてあります。
『イサリビ』に戻らなければ巻き込まれるのですが。
『ガエリオ』に圧される『マクギリス』
「お前の信じる力でお前を殺したとき俺たちはようやく分かり合えるだろう」
「イカれているなガエリオ‼」
『ガエリオ』が『マクギリス』に突っ込んだとき『マクギリス』を庇うように間に入った『石動』
その隙に離脱する『マクギリス』
「准将のもとでなら夢を見ることができた。ギャラルホルンに所属していても私のような後ろ盾のないコロニー出身者は明日の夢も見られない。ここはそういう世界だ。生まれながらボードウィンの名を持つあなたには分かるまい。私は、准将の…」
「そうだな。以前の俺は確かに理解しきれていなかった。だが俺にそれを教えてくれた存在がある。だからこそ言える。ヤツが君に見せた夢はまやかしだと、俺も一度はヤツの理想に夢を見た。もう覚めてしまった過去の夢だ」
『三日月』にやられた『ジュリエッタ』『ガエリオ』に回収され一命は取り留めた。
チャフを巻いて戦線を引いた『鉄華団』最後の戦いと思っていたのに…疲弊も負傷も死者も大きすぎる現実。
『マクギリス』はまだ残存戦力で戦いを続行する旨を伝える。
もうこれ以上、仲間を失いたくない『オルガ』
「我々は立ち止まるわけにはいかないのだ。散っていった同胞たちの思いを背負い前へと進む。彼らの死を無駄にしないためにも」
『マクギリス』…もう敗戦の将なのに…。
結局『オルガ』は決断できませんでした。
「血生臭ぇ仕事なんてしないでも金が手に入って、あったけぇ家があって、なのにそれを手に入れるために戦わせて、結局こんな冷てぇ場所で」
そんな『オルガ』を『ヤマギ』が責めます。
『シノ』を失って自暴自棄になっています。
「みんなあんたの言葉を信じて死んでったんだ。なのにあんたがそんなふぬけててどうするんですか‼」
そんな『ヤマギ』に『ユージン』が自分では言えなかったと、そして『シノ』は『ヤマギ』の気持ちに気づいていたと話します。
「俺にも守れるかな?鉄華団」
『ヤマギ』が守ろうとした『鉄華団』を自分も守ろうと心を決めたのです。
目覚めた『ジュリエッタ』は『ガエリオ』に『三日月』との戦いのことを話します。
「強くあればどのような強さでもいい、もう、そうは思いません。私は人として私のままで強くなります」
『三日月』の強さは悪魔のような冷たさを感じたと…。
自分は人のまま強くなる。
「逃げ回ってみろマクギリス。宇宙ネズミと共に。お前はもはや袋のネズミだ」
『ラスタル』は勝利を確信しています。
『バルバトス』に繋がれたままの『三日月』
『オルガ』と話します。
「俺は今までさんざん吹いてきた。この戦いしだいでいい目にあえる。金も立場も全部手に入る、あんだけ吹いたのによ、でっけぇウソついちまった」
「オルガにうそをつかせたのは俺だ、俺が邪魔するヤツらを全部片づけてれば、オルガの言ったことはうそにならなかった。俺が最後にできなかった」
『オルガ』は気づきました『三日月』が『鉄華団』が自分を今の場所へ連れてきてくれたのだと。
そのうえで
「オマエの全部を俺にくれ」
「ん?とっくに渡してるよ」
「ああ、そうだな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます