第47話 生け贄
「あなたこそご自身の立場がお分かりになっていない。ギャラルホルン内におけるあなたの地位は全て剥奪されているのです。マクギリス・ファリド元准将」
かつて『マクギリス』の推挙で火星支部長になった『新江』は表向きには『マクギリス』に手は貸しません。
しかし「火星支部はあなたを受け入れることはしない。だが今までの恩もある。我々はあなたの行方を知らない。これから火星の地を踏むことも」
ただの恩義ではありません、『マクギリス』ならばあるいは?
という保険をかけただけです。
「あれは悪運の強い人間だ。これから情勢がどう変わるかは分からない。万が一ということがあるからな」
『鉄華団』は火星におりましたが、今や犯罪者集団。
『オルガ』すら『マクギリス』と手を切った方が…そんなことを口にした矢先に逃げ場のない報道が流れます。
『クーデリア』も『ノブリス』から融資を打ち切られ、『マクギリス』の後ろ盾をアテに無茶を繰り返した『鉄華団』でしたが『マクギリス』も孤立状態、もはやジリ貧、『オルガ』も現状を団員に話し抜けたければ抜けていいと言い出します。
無責任な…。
団員は、それでも『オルガ』についていくと盛り上がるのですが…見ていて痛い。
そんな中、当初から馴染めきれない『ザック』だけが去っていきます。
「じゃあどうすりゃいいんだよ、むかつくんだよ。ここにいるヤツら頭悪すぎんだよ。みんな気のいいヤツらなのによ、一生懸命なヤツらなのによ、ろくな先が待ってないの見えてんのによ!不幸になんの見えてて、どうしてだよ?なんかもう、胸ん中手ぇ突っ込まれて、ぐっちゃぐちゃにいじられてるみてぇだ」
破滅に向かう『鉄華団』には残りたくない…でも皆の事は嫌いじゃない。
この気持ち、よく解るんです。
社長はバカで付いていきたくないけど同僚は悪い連中じゃない、後輩も見捨てられない。
桜雪…今そんな状況。
『オルガ』は盃を返した『マクマード』へ『ラスタル』へ繋いでくれと頼みます。
繋いでもらった『ラスタル』へ『鉄華団』の解散と『マクギリス』『バエル』の引き渡しを条件に手打ちを求めます。
しかし…『ラスタル』は生贄が必要だと言います。
自分の命を差し出すと言う『オルガ』でしたが『ラスタル』は地に堕ちた『ギャラルホルン』を立て直すには『鉄華団』を武力で葬ることが必要だと突っぱねます。
結局、指名手配となった『鉄華団』
『クーデリア』の閃きで『蒔苗』を頼りIDの書き換えを行うことになり、また『デクスター』が凍結された口座とは別に蓄えていた金を引き出してきます。
「これならいけるかもしれねぇ。この金を使ってなんとか地球まで行って俺たち全員のIDを書き換えることができれば」
再び地球を目指すことになった『鉄華団』でしたが、すでに『ギャラルホルン』に囲まれていたのです。
『蒔苗』に連絡しようにも回線がつながらない。
『ラスタル』は甘くない。
徹底的に叩くつもりなのです。
そして、なんか目覚めた『イオク』も…見せ場はあるのか?
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