第44話 魂を手にした男

『ラスタル』も通信を開く。

「アリアンロッド艦隊司令ラスタル・エリオンより告げる。ガエリオ・ボードウィンの身柄は今まで我がアリアンロッド艦隊が保護していた。彼はマクギリス・ファリドの罪状を我々に告白してくれた。マクギリスは地球外縁軌道統制統合艦隊を手に入れるために姦計によって司令官カルタ・イシューを殺害、更に養父であるイズナリオ・ファリド卿を失脚させ家督を乗っ取りガエリオ・ボードウィンを殺害しアルミリア・ボードウィンを妻とすることでボードウィン家をもその手中にせんと画策、しかもこの期に及んでギャラルホルンの創設者アグニカ・カイエルの魂が宿るモビルスーツ、ガンダム・バエル、ギャラルホルンの象徴をこのように辱めた」


 これで完全に『ギャラルホルン』は真っ二つに割れた。


『アイン』の件は実験だったと話す『マクギリス』そう『疑似阿頼耶識』により誰も起動させられなかった『バエル』を起動させるために『アイン』『ガエリオ』を利用したのです。

 自らも手術をすることで『バエル』を起動させ伝説を蘇らせた。

 もはや存在に意味を成さなくなった『セブンスターズ』で戦力を『ラスタル』討伐に向ける『マクギリス』


『マクギリス』に刃を向ける『アルミリア』

 兄を殺した『マクギリス』を、それすら嘘だったと知ったから殺す…しかし殺せない、自らが死のうとした『アルミリア』の刃を自らの手で止めた『マクギリス』

「ああ、今は恨んでくれていい。それでも生きてさえいてくれたら。いつか遠い未来、多くのことがあったけれど、それでも幸せだったと君に思わせてみせる」

 ロリの言葉には嘘が無い…。

「おかしいわ、マッキーの言ってることは全ておかしいわ。私も…おかしいわ」


『マクギリス』の思惑通りに運ばない世の中『セブンスターズ』は『ラスタル』側につき『鉄華団』も『アリアンロッド』と戦うことになったことを知り浮足立ってます。

「地球軌道上でラスタル・エリオンを迎え撃つ。君たちにはその戦列に加わってもらう」

 この時点で勝ちはないような気もする。

『バエル』1機で『ギャラルホルン』を完全に従えるとか?

 確かに子供の発想。

『マクギリス』を殴る『オルガ』

「鉄華団は手を組んだ相手を裏切ることはねぇ。これはけじめだ」


 最後の戦いに挑む『鉄華団』

 その異様な空気に不安を感じる『アトラ』は『クーデリア』に連絡をします。

『三日月』を繋ぎとめられない…。

「私は三日月たちのような子供が存在しない世界を、そう願って活動してきました。けれどそれに矛盾を感じるようになったのです。彼らの結び付きはこの過酷な状況からでしか生まれなかった。そして私は彼らという家族に憧れた」

 言葉を続ける『クーデリア』『三日月』に寄り添えるのは『アトラ』だけだと。


『バルバトス』に繋がったままの『三日月』の元に『アトラ』がやってきます。

『アトラ』を抱きしめる『三日月』

 彼女が大事だと言います。

「戦いのない場所なんて俺は知らないんだ。あるのは自分で選んだ戦場か選ばされた戦場か、それだけ」

「今は?」

「アトラが泣きやむように戦ってる」


『ラスタル』が動きます。

「これより我がアリアンロッド艦隊は逆賊であるマクギリス・ファリドを討ち、バエルを奪還する」


『クーデリア』は祈ります。

「この最後が彼らの未来につながる始まりでありますよう」

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