第38話 天使を狩る者
保護システムを切った『バルバトス』は想像を超えたものでした。
誰もついてこれない戦闘。
独りでやると言った『三日月』
その能力を信じていたのでしょうか?
「使ってやるからもっとよこせ、こんなもんかよ、お前の力は」
ポテンシャルを引き出し戦う『バルバトス』
勝利するもその身はボロボロ…。
『マクギリス』は自信の迷いを晴らしてくれたと言いました。
一か月後…
『マクマード』の前に『オルガ』がいます。
「うちの力は示せたと思います。しかし俺らだけで事を収めきれなかったことも自覚しています。ですがファリド公が鉄華団を買っているかぎり、俺たちはヤツが勝てるように力を貸し続ける。それがひいてはテイワズのためにもなると思ってます。これを」
盃を返した『オルガ』
「お前らには今までさんざん目を掛けてきた。テイワズを裏切るようなまねすりゃあこの盃をたたき割るだけじゃあ済まされねぇ。分かってるな」
『ジャスレイ』も『アリアンロッド艦隊』とパイプを繋げていました。
つまり『テイワズ』にしてみれば『マクギリス』でも『ラスタル』でもどちらでもいいのです。
『セブンスターズ』内では『マクギリス』が今回の報告をしています。
「報告書にあるとおり私が火星に向かった目的はあくまでもモビルアーマーの視察でした。ですがそれを邪推したクジャン公の介入がモビルアーマーを目覚めさせることとなってしまった。我がファリド家が現地の組織と協力しモビルアーマーを撃破したことで事なきをえましたが一歩間違えれば市街地は蹂躙され、火星は大惨事となっていたことでしょう」
この報告に激昂する『イオク』
『マクギリス』の報告を額面通りに受け取る『ラスタル』
「ギャラルホルンのあるべき姿を忘れ目的を見誤る。そのような家門と手を組むことはセブンスターズの一角を預かる者として一考せねばなるまいな。」
収まりがつかない『イオク』を黙らせたのです。
『名瀬』は若頭への道が開かれたようです。
「お前らが勝ったあとのことを考えてんだろう。俺に肩書を付けてお前らの手綱をしっかり握れってな。おやじは結果でしか判断しねぇ。一度動きだしたらもう降りることはできねぇぞ」
『オルガ』に問います。
「火星の王ってのが家族のために本当にお前の目指すべき場所なのか?」
生き急いでいるような『オルガ』を『名瀬』は早く楽になりたいだけなんじゃないか?と…。
言葉を返せない『オルガ』
『三日月』は戦闘の代償で右半身の機能を失いました。
もはや戦闘以外では役に立たない、横たわるだけの『三日月』
『アトラ』は『クーデリア』に『三日月』と子供を作って欲しいと頼むのです。
『石動』が『マクギリス』へ『ガエリオ』のことを報告しています。
「エドモントンでの戦闘に単独で参加後、鉄華団以外の何者かの襲撃を受けガンダム・キマリスは大破。地上部隊に回収されるもボードウィン特務三佐は死亡。亡骸は荼毘に付されセブンスターズの墓地に埋葬されました」
あのとき自分の前に立った『ガンダム』に乗っていたのは?
「あの男が生きていたとして、ラスタルがそれを飼っていたとして、それが純粋で正当なカードとして強さを保有するのは腐った理想が蔓延する曖昧な世界でだけ」
『ジュリエッタ』は『ラスタル』の反対を押し切り新型機のテストパイロットに志願しました。
『イオク』は『ジャスレイ』と連絡をとります。
『ライド』は『三代目流星号』を受け取りました。
皆が、あの戦闘の後、覚悟を決めたようです。
そして『オルガ』は…。
眠る『三日月』に語ります。
「ミカ…俺は謝らねぇぞ」
目を覚ました『三日月』
「自分のせいだと思っている?」
解りやすくなったという『三日月』
「クーデリアが言ってたんだ俺たちが戦わないで済む世界を作るって。考えてもよく分かんなくて、でももう考えなくていい。俺はもうバルバトスなしじゃ走れない。だったらやっぱり俺は戦わなきゃ生きていけない。オルガ、俺を連れてって」
『謝ったら許さない』
「分かってる謝らねぇよ。俺がお前を連れてってやる」
悩み何かを犠牲にしながら進む『オルガ』も決意を固めたのです。
『火星の王』として…。
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