第12話 暗礁

 目を覚ました『タカキ』は動けない自分に苛立ちみんなに申し訳ないと、正直、合わせる顔が無いのです、立候補して足手まとい、そして…。

 そんな『タカキ』を迷惑とも思わない『鉄華団』それが『鉄華団』『オルガ』の家族なのです。


 とはいえ、地球行の航路が『ブルワーズ』に漏れているのは事実、偶然襲われたわけではないのです。

『クーデリア』のことも知っているわけですから。

『ブルワーズ』の艦を見つけられない『テイワーズ』と『鉄華団』

 航路は『テイワズ』には伝えてある…とすれば漏れたのは『テイワズ』から?

「組織がでかくなりゃあな、目が届かないところも出てくるさ」

『名瀬』を面白く思わない連中もいるということです。

 しかし出来た女房『アミダ』

「向こうが待っててくれるんならこっちもやりようはあるさ」

 見つけられないのなら、仕掛けてくるまで待てばいい。

 仕掛けてくるポイントを絞ることにしたのです。

 そして『昭弘』の弟『昌弘』も助けだすという目的もあるのです。

 そんな会議の中『クーデリア』の無知にして『エイハブ・リアクター』の説明が入ります。


『ラフタ』と『三日月』が発進したころ、『ブルワーズ』では『昌弘』達が粗末な食事を摂っています。

 それは最低限の栄養を補給するためだけの食事とも呼べない姿、少年たちは皆ガリガリに痩せています。

 羨ましい限りです…いや失言。。


 1個余っている栄養補強食、前回の戦闘で『三日月』にやられた少年兵の分です。

 産まれ変わりすら信じられない少年兵、『宇宙ネズミ』『ヒューマン・デブリ』とはそういう境遇に身を置いているのです。

「次はしくじるんじゃねぇぞ。またヘマやったら今度はお前だけじゃねぇ。お前らまとめて生身で船から放り出してやるからな。覚悟しときな」

 そんな『昌弘』に『クダル』が脅しをかけます…いや脅しでもないのか。


 先行した『三日月』と『ラフタ』の迎撃にでる『昌弘』達。

 そして『昌弘』を見つける『三日月』

『ブルワーズ』本艦は『イサリビ』『ハンマーヘッド』を待ち構えてます。

 その横に現れる『イサリビ』重力が安定しない宙域をあえて突破してきたのです。

 彼等『宇宙ネズミ』ならではの芸当『ハンマーヘッド』は追従しています。

『名瀬』

「うちの船がなんでハンマーヘッドって名前なのか教えてやれ‼」

 ナビゲートされていただけではありません、『ハンマーヘッド』は突貫する艦だったのです。

 弾き飛ばされた『ブルワーズ』の艦に今度は『イサリビ』が取りつきます。

「こっちも負けてらんねぇぞ‼」

 奇襲されてしまった『ブルワーズ』思わず依頼主を口にする『ブルック

「ギャラルホルンからの仕事だぞ。うまくいきゃあどでかい後ろ盾が出来るかもしれねぇんだ。こんなところで引き下がれるかよ」

 そして『クダル』『グシオン』で出撃。

 目的は『クーデリア』

 艦内に侵入する『鉄華団』当然『オルガ』も潜入してます。現場主義。

『イサリビ』からは『昭弘』が『グレイズ改』で出撃します。

『昌弘』を取り返すために、それを援護する『テイワーズ』MS隊。

 MS隊は『昭弘』のために出撃しているようなものです。


 しかし…

「俺もデブリだ。何をやったってどうしようもねぇこのまま一生何も変わらねぇって。正直お前のことも諦めちまってた。けどなこんな俺を人間扱いしてくれるヤツらが、あっ、いや家族って言ってくれるヤツらができたんだ」

『昌弘』に希望はあると訴える『昭弘』

「俺があんたのことを待ってる間、1人だけいい目にあってたのかよ」

 まったく響きません、それどころか、自分の境遇とあまりに違う兄に、ブチギレます。

「あんたは勘違いしてるんだ。人間だなんて…へへへっ笑えるよ。どうせすぐ分かるんだ。ヒューマン・デブリがどうやって死んでいくか。すぐにね」

 そこへ『グシオン』と交戦中の『バルバトス』

 視界に『昌弘』の『マン・ロディ』と絡む『昭弘』の『グレイズ改』

「そのまま押さえてろ~‼」

 ハンマー振りかぶって突進してきます。

『昭弘』を拒絶するように突き放す『昌弘』

 しかし、その目には涙が…。

 そして『グシオン』のハンマーが『マン・ロディ』を潰します。

「昌弘ー‼」


 なんか救えない…。

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