第3話 散華
小さな手に大きめの銃を握る『三日月』『オルガ』の後を付いていく。
ずっと、こんな関係だったのだろうなと思わせる2人。
和やかな食堂から呼び出される『ビスケット』参番組に漂う緊張感。
いつもどおりの『三日月』
薬を混ぜた夕食を配り、決行の時を待ちます。
縛られた壱番組の隊長『ハエダ』を「無能」と呼ぶ『オルガ』
「命だけはたすけてやるから」
縛れて立場を解っていない壱番組
「オマエ状況解ってんのか? そのセリフを言えんのはオマエか俺か、どっちだ?」
無能な指揮で仲間を失った『オルガ』達。
「その落とし前はキッチリつけてもらう」
『オルガ』の後ろから銃を持った『三日月』が前に出る。
迷わず発砲する『三日月』が一人を殺します。
残った壱番組に選択を迫ります。
「選べ…俺達、宇宙ネズミに従うか、出ていくか?」
縛られたまま「ふざけるな」と立ち上がった大人を、また迷わず射殺する『三日月』
「どっちも嫌なら、ここで終わらせてやってもいいぞ」
静まり返る壱番組、そこへ「俺は出ていくほうで…」
会計担当『デクスター』
彼には選択の余地はなかったようで残留は決まっていたようです。
参番組は腕はあるが、知恵がない。
こうして『オルガ』は『CGS』を乗っ取ったのです。
こういうところが『鉄血』の『反社』な部分なのです。
殺して奪う、マフィアの権力争いの構図です。
翌朝、『クーデリア』にこれからどうするんだと問う『オルガ』
疑念が持ち上がっている以上は父親の元へ帰れるわけもなく…。
「無力な自分が悔しい…」
色々な思いが頭を駆け巡る『クーデリア』
どこか自分を特別だと思っていたのかもしれません、そんな自分を「たかがアンタ一人」と言った『三日月』彼にそんな自分を見透かされていたような気もするのかもしれない。
『CGS』に残された資産は僅か…。
そこで一案だしてきたのが呼んでもいないのに残った『トド』
『クーデリア』を『ギャラルホルン』に引き渡して金を得るという案です。
大人の考えです。
火種を渡し金に換える簡単な方法です。
迷う『オルガ』達の元に『グレイズ』がやってきます。
赤い布を持った『グレイズ』決闘を申し込みにきたのです。
もちろん『クランク』爺さんの独断。
何しに来たんだ‼
要求は勝ったら鹵獲された『グレイズ』と『クーデリア』を渡せ、その後は今回のもめ事は無かったことにするという口約束。
彼にそんな権限あんのかい?
そこへ自ら『ギャラルホルン』へ行くという『クーデリア』そうすれば決闘も必要ない。
そんな甘い『クーデリア』に苦笑いの『オルガ』の答えは…
「ミカ、やってくれるか?」
「いいよー」
こういうところが怖いのです。
洗脳って感じなのです。
決闘が始まります。
『バルバトス』を見上げ、私も阿頼耶識手術をすれば、MSを操れるのか?と『オルガ』に尋ねる『クーデリア』
それを諫めるように『オルガ』は答えます。
やめとけ…10人手術を受けて4人は病院送りだと…『三日月』は3回受けたとも。
自分の意思で…。
ドクンッ…。
繋がる『三日月』と『バルバトス』
名乗りをあげる『クランク』
一瞬遅れて名乗る『三日月』
「ねぇ決着ってどうつけるの? どっちが死ねばいい?」
「その必要はない」
『クーデリア』の命を貰えば、他の少年たちが犠牲になって死ぬ必要はないと答える『クランク』
「俺はオルガに言われたんだアンタをやっちまえってさ‼」
『オルガ』の言葉は絶対の『三日月』
別に『クーデリア』とかどうでもいいし『クランク』なんて更にどうでもいい。
「ミカは強くなくちゃ生きていけないことを知っているんだ、意地汚くて潔いいアイツは矛盾の塊なんだ…だけど、だからこそ強い」
「私…彼のように戦えるでしょうか?」
命を棄てようとしていた『クーデリア』にも決意が芽生えます。
自分の戦える場所を見いだせたようです。
自分は犠牲になどなっていない、出来ることをやっているだけ、今はアンタが邪魔だ。
『バルバトス』『阿頼耶識』がどうのではなく…単純に迷いの無さが『三日月』の強さと怖さ。
『三日月』の戦いを見据える『オルガ』
「鉄華団…俺達の新しい名前…決して散らない鉄の華」
『クーデリア』に語る『オルガ』
『バルバトス』が『グレイズ』を倒した、剥き出しになったコクピットに『クランク』を見る『三日月』
銃を持って『バルバトス』の外に出る。
「本当に子供なんだな」
「なぁ…俺が勝った場合はどうなるの? アンタ、ソレ言ってなかっただろ? 気に食わなかったんだ」
「すまない、バカにしたわけじゃないんだ…その選択を俺が持たなかった…それだけだ、俺は上官の命令に背いた、何の土産もなく帰れば、俺の行動は部隊全体の問題になる、なってしまう、だが俺がココで終われば責任は全て俺が抱えたまま…」
血を吐く『クランク』
「もういいよ喋らなくて」
「すまんな、俺はもう自分で終わることすらできない」
一瞬何か考えていたような顔をする『三日月』
きっと面倒くさいな…程度だと思う。
銃を向けた『三日月』
「ありが…」
パンッパンッ…
礼を言わせるまでもなく引き金を弾くのでした。
コレで『ギャラルホルン』の敵となった『鉄華団』
途方くれるなか、『クーデリア』が護衛任務の継続を申し出ます。
資金のアテもあるという。
スポンサーとして彼女を支えていた『ノブリス』
「引き続きのご利用ありがとうございます」
芝居がかった『オルガ』が頭を下げる。
コレで地球までの護衛任務が決まった。
しかし…『ノブリス』は『クーデリア』暗殺の黒幕でもあるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます