第4話 命の値段

 呼んでいねぇのに残留した『トド』

 さりげなく説明セリフが入ります。

「相手は、この世界を何百年も支配してる奴らなんだぞ」

 相手とは『ギャラルホルン』です。

 逆らった『鉄華団』は身の破滅だと嘆きます。


『鉄華団』では『クーデリア』を地球へ運ぶ会議が行われています。

 地球行の航路は『ギャラルホルン』の監視下にあり、普通に運ぶわけにはいかない。

 なにせ、その『ギャラルホルン』に狙われているのが積み荷『クーデリア』なのだから、そこで非合法なルートを確保できる案内人が必要だということです。

 裏ルートにはまた民間のナワバリがあるとも…つくづく反社な世界。

 その案内人は『トド』の紹介…何か企んでいるのは『オルガ』も承知していますが、他に頼れる伝手もないのです。


 その『ギャラルホルン』は『マクギリス』『ガエリオ』が監査の真っ最中、先の暗殺に失敗した一個中隊が戻ってないという事実をデモの鎮圧と言い逃れ、買収を試みるも失敗『コーラル』追い詰められております。


『鉄華団』も悠長にしている場合ではなく一刻も早く行動に出なければ、いつ襲撃されてもおかしくない状況なのです…幸いにして監査中ですので、しばらくは大丈夫。

『クーデリア』も資金の確保に成功し、準備は整いつつあります。

「若き勇者たちと共に死地に赴く戦の女神が彼らの屍の上に永遠の楽園を築く、まるで神話の英雄譚のようではありませんか。さすが私の見込んだお方だ」

『ノブリス』に嫌味を言われるも仕方ありません。

 事実、その可能性は高いのです。

 地球行のために何人か死んでも不思議ではないのです。

 そういう決断をしたのです。


 そんな『クーデリア』を外出に誘う『三日月』『ビスケット』も一緒に畑に出向いています。

 畑の持ち主は『ビスケット』の祖母『桜』妹の『クッキー』『クラッカー』そして『アトラ』がいます。

 気分転換にトウモロコシ収穫に誘った『三日月』気遣いのできるヒットマンです。

 しかし火星の現実を突き付けます。

「10Kgで50ギャラー」

『クーデリア』は1本200ギャラーと値踏みした価格とは程遠い低価格。

 これから彼女が成そうとしている事のために知っておかなければならない現実を彼女に見せたのだと思います。

「あんたのおかげで、俺たちは首の皮一枚つながったんだ。本当に、ありがとう」

 礼も言える『三日月』

 今日はやけにいい人でした…が。

『クッキー』『クラッカー』が『ガエリオ』が運転する車に轢かれかけます、彼女達が飛び出したのですが、『三日月』が駆けつけ『ガエリオ』の首を締め上げます。

 それでこそオマエだ‼

 三白眼で瞳孔を開いて完全にキリングマシーン。

 慌てて自分達が飛び出したのを避けてくれたと説明する『クッキー』『クラッカー』

『マクギリス』も降りてきて、こちらも不注意だったと謝ります。

 駆け付けた『ビスケット』車の『ギャラルホルン』の印に気づきます。

『クーデリア』に身を隠すよう指示する侍女『フミタン』優秀な人です。

 しばらく『フミ♡たん』かと思っていた桜雪。

 可愛い呼び名だなと思ってました。

 事情を理解した『三日月』止めた『桜』に謝りますが相手が違うと怒られます。

 謝れても怒り心頭の『ガエリオ』三日月を殴ろうとしますが避けられてしまいます。

 そこで背中の『阿頼耶識』手術跡に気づく『ガエリオ』『マクギリス』は知っていました。

「身体に異物を埋め込むなんて…」

 吐き気を催すほど嫌悪を抱く『ガエリオ』あるいは『三日月』が締め上げすぎたせいかもしれない。

『マクギリス』は、お詫びだとチョコを差し出す。

 なんかこのシーンはアメリカ兵が日本人にチョコを配ったという歴史を感じます。

「念のため、医者に診せるといい、何かあれば、ギャラルホルン火星支部まで連絡をくれたまえ…私の名はマクギリス・ファリドだ」

 去り際に戦闘があったか?と聞く『マクギリス』

 慌てて『ビスケット』が誤魔化します。

「ドンパチがあったような…民兵の訓練かな?」

『マクギリス』が『三日月』に興味を持ったようで

「見事な動きだったな、何かトレーニングを?」

「まぁ…いろいろ」

 嘘を吐けないタイプです。

 自分が訓練を受けていると言ったようなものです。

「いい戦士になるな」

 ほらバレてる。

『マクギリス』は『コーラル』と『ノーマン』が会っているとの情報を得て『ガエリオ』と戦闘の跡を確認していました。

 コレで繋がったわけです。

「あいつら、この間の戦闘のこと知らないみたいだった」

『三日月』が『ビスケット』に話しかけます。


『マクギリス』と『ガエリオ』

「農場にいた男の証言通り、あの近くにはCGSという民兵組織が存在していたよ」

「存在していた?」

「経営者が代わり、社名も変更になっている。新しい名前は鉄華団」

「それがどうした?」

「消したかったのは名前だけか?それとも…」

 うすら笑いを浮かべる『マクギリス』


 会社に戻れば『鉄華団』のマークが描かれています。

 年少組の『ライド』がデザインしたマーク。

「ミカ、これを俺らで守っていくんだ」

『オルガ』は漠然とした目標を形にしたのだと思います。


 そして『トド』

「ふん、思い出させてやるぜ。大人の怖さってヤツをな」

 密かに微笑むビール腹のオヤジ。

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