Lesson03「心構え」

 もふり、もふられる関係を目指しているうちに予期せぬ遊興に誘われる。

 あるいはそんな関係を目指しているのにうまくいかない。そんなあなたのためにこの頁はあるのだ。


 まず、心構えとして彼らを「好き過ぎて抑えられない」という方はどうか心を鬼にして、そのエネルギーを仕舞うことをおすすめする。

 彼らからすればそれは獲物を狙う狩人の殺気であり、それらを察した彼らがどういう態度に出るかは説明するまでもないだろう。

 また、この本を手に取っておいて彼らが苦手という奇特な方も、その警戒した態度は追い詰められた鼠のように攻撃の危険を感じさせるものだ。


 慣れようという気があるのなら、彼らの不興を買わないよう、これだけ覚えておけば良い。

 彼らからすれば我々は「兄弟」である。上下関係はなく、強制や躾など無駄だ。

 何かを教えたければ先にやってみせ、彼らが我々のやっていることに興味を持つよう楽しむ。

 頭ごなしに押し付けたり、意識し過ぎてはいけない。ただそこにあるのが当たり前のように振る舞うことだ。


 それらを踏まえたうえで遊びに興じれば、たちまち彼らも心を開き、もふりタイムを得られることだろう。

 「共に楽しむ」ことを忘れてはならない。我らは彼らの兄弟である。


 さて、彼らとの遊びといえば「じゃらし」が定番だろう。手持ち棒の先端に毛玉や羽などがついており、棒部分のしなりで揺らすような奴だ。


 おおよそ大きくわけて、

・ネズミタイプ

・虫タイプ

・鳥タイプ

 の3タイプがあり、

 これらのコツはただひとつ「獲物の気持ちになる」ことだ。


 とはいえこの一言だけで終わらせては、この本がすぐさま破り裂かれ、暖炉にくべられる未来を止めようがない。

 そうならないためにも、次頁では具合的な動かし方について触れようと思う。

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