第六十二話『土盾 - マッドシールド』

「これは、難しかった。次行ってみよう!」

と、僕は、キングゴーレム戦で手に入れた、二つ目のスキルを発動させた。


『土盾 - マッドシールド』


スキルを発動させると、また巨大なものが発現した。

今回手に入れたスキルは、基本的にはキングゴーレムが使っていたものなので、まるで兄弟のお下がりをもらって、ブカブカの服を来ている子どものような状態になっている。


「でか!!」

僕一人分を覆う位の大きさの、盾が出現した。


「あ、タカシが見えなくなった」

とリオンが言う。

小さいリオンからだと、全く見えないぐらいの大きな盾に守られている。

そう、完全に相手から見えなくなるほどの大きな盾。


「そして、また重い・・・」

と僕は言う。


この、重い盾を持ち続けるのは僕にはムリだ。

ふらふらとしてしまう。

盾に振り回されている僕。


「いっそ、それ、土にくっついてくれればいいのにね!」

とニコが行った。

ニコは何気なく言ったのだろうが、僕は、パッとニコの方を振り向き、ヒカルは眼鏡をキラーンとさせた。


「「それだ!!」」

と僕とヒカルは言った。


そしてすぐに、僕はニコのアイデアをもらい試すことにした。まず、一旦この出ている盾を引っ込める。


「キャンセル!」

と、僕は言い。

『土盾 - マッドシールド』を一度キャンセルした。

シュッと、土の盾は消えた。


さっきはスキルを発動時、手のひらは空中にあった。

そして僕の手で持てるように『土盾 - マッドシールド』は出現した。


今度は、僕はしゃがみ、グラウンドの土に手を当てた。


「なるほどね〜」

とヒカルには僕がやろうとしていることが分かったらしく、微笑んでいる。


『土盾 - マッドシールド』


僕は、しゃがんだ態勢でもう一度、『土盾 - マッドシールド』を発動した。


すると、こんどは、グラウンドの土から、生えてくる形で、『土盾 - マッドシールド』が生成されて、そこに『固定』された!


「タカシ、すごい・・・」

とリオンが呟く。


そう、この使い方の何が凄いかというと・・・。


「そこに盾を作って、自分は移動できるのね!」

とニコが言う。


「そう、こういうことも出来る!」

と言いながら、少しだけ後ろに下がる。

もう、触らなくても、盾はそこに存在していた。


『追尾投擲 - ホーミングスロー』


と、僕は盾に当たらないように上方に山なりに、ナイフを投げた。


そして、普通なら、そのナイフは、盾によって射線が塞がれて、的には当たらない!

しかし、『追尾投擲 - ホーミングスロー』のスキルを発動して投げたナイフは、一度、上空に飛んで、遥か先に飛んでいってしまうかに見えたが、途中で光り、『軌道を大きく変えた』!!そして、まっすぐ、丸太の目標に向かっていき、『刺さった』!


「すごーい!」

ヒカルは言った。


「これは僕にピッタリのスキルだなぁ」

そう、つまり『当たり』だ。


「この2つのスキルの組み合わせの相性は抜群だ!」

と僕は微笑んだ。

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