第六十〇話『いつもの訓練』
「うん、でも、やっと実感が湧いてきた。ここが僕らの街なんだね」
と、僕も微笑んだ。
僕らはこれからもこの街を守っていく。
そう決意を深めるのだった。
「そう!これを見て欲しかったの!」
とニコは微笑んだ。
さらに、少しずつ明かりが灯っていく街。
ここで皆が生活をしている。
「じゃ、帰りましょう!」
とニコが言う。
暗くなってしまっているので、気をつけて丘を降りた。
そして、学校で僕らは別れた。
「じゃあ、また、明日!」
とニコは笑顔で手をぶんぶん振っていた。
その笑顔はとても可愛いかった。
そして、僕は学校にある自分の部屋に戻った。
今日はいろいろあったなー、と考えていたら、すぐに寝てしまった。結構歩いたし、疲れていたのだろう。
そして、朝。
いつものようにニコが迎えに来てくれて、いつものように皆が教室に集まって朝食を食べた。
「昨日はデート楽しめた?」
と、ヒカルが眼鏡をキラーンとさせながら聞いた。
にこにこと笑っている。
完全にニコのリアクションを楽しもうとしている。
「ば!そんなんじゃないわよ!」
そして信頼と安心のリアクションを返すニコさん。
「あやしぃ・・・」
とリオンが言う。
「リオンまで!」と、ニコが突っ込む。
「そのネコのアクセサリあやしすぎるわね〜」
とヒカルが言う。
いきなり核心に迫る。
「な、なんのことかしら〜!!」
とニコが吹けない口笛を吹くふりをしながらごまかそうとしている。
「ニコちゃんわかりやすい!」
と笑っていた。
「カンが良すぎる・・・」
恐るべしヒカル・・・。と僕は呟いた。
そして、こちらをチラッと見て微笑むヒカル。
恐ろしい・・・恐ろしい・・・子!!
「今日は何するの?」
と僕もごまかすように、話題を変える僕。
「そうね、しばらくはまた基礎訓練だね〜」
とヒカルが言う。
そして僕らは朝食を食べ、片付けをして、グラウンドに出た。
「さ!走りましょう!」
と、日課になっているランニングを始めた。
最初はみんなと同じペースで走ることが出来て、お?僕も体力ついてきた??と思ったら、みんながスピードをあげたら、あっという間に周回遅れになってしまった。
だけど、めげずに、最後まで走った。
「はぁはぁはぁ・・・」
とゴールして、休憩している僕。
「相変わらず遅いわね!」
とニコが笑っている。
「ほんとだよ・・・キングゴーレムを倒せてもいきなり足が早くなるわけじゃないんだな・・・」
と肩で息をしながら、せぇぜぇとニコに返事する。
「ま、地道に頑張りましょう!」
と、ニコはバンバンと、僕の肩を叩いて笑った。
「じゃ、個人訓練はじめよ〜」
とヒカルが、道具箱を持ってきて、皆がそれぞれ、訓練を始める。
「手に入れたスキルをいろいろ試してみるか!」
と僕は微笑んだ。
そう、僕は、前回の戦闘でいくつかスキルを手に入れていたのだった。
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