第97話 さて……

 やあ、おいらです。


 歯が痛い……


「じゃあ歯医者に行けばいいじゃない」


 舞子か。あのね、行けるもんだったら、おいら歯医者に行くよ。でも行けないんだ。


「どうして?」


 聞いて欲しくない質問だな。単純にいえば金がない。今までさんざっぱら言ってきたけど、本当にクライシスなんだ。せっかくハローワークで仕事を紹介してもらったんだけど、応募書類郵送。おいら、何の資格もないし、大した仕事もしてない。さらに五年間働いてないから、職務経歴書に特筆するものもない。結局、職歴だけさらっと書いて、自己PRの欄は空白で郵送してしまった。絶対に、書類選考で落ちる。間違いなく落ちる。もし、受かったらその会社は人の集まらないブラック企業だ。そんなとこ行きたくない。完全に負のスパイラルに陥っている。どうせならフォースの暗黒面に陥りたい。そっちの方がカッコよくていい。


「負のスパイラルというより、自己破滅型ね」


 ああ、そうだね。おいらは後先考える事もなしに面倒なことから逃げ出し、逃げ出して、最終的に、にっちもさっちもどうにもブルドックソースまみれだ。先週は薬物自殺を図って、見事失敗するという醜態を見せて、ツレに「今度やったら、追い出す」と宣言されてしまった。この寒中にホームレスは辛い。凍死って楽かな? 辛いかな?


「ぺこりさんに自殺は無理。意志薄弱だから。薬だって、致死量飲んでいないでしょ。ポーズ、ポーズ。他人の同情を買いたいだけなのよ。有り体に言えば、ダメ人間ね」


 否定できないよ。もう、自殺ごっこはやめよう。妙なプライドは捨てなきゃいけないね。わかってる。わかっているけど、誰かに助けられたい。助けてくれるなら、神でも仏でも、悪魔でもいい。


「全然、わかってない! いい加減自立しなさい。自分で荒野を開拓するのよ」


 無理。おいら、アダルトチルドレンだから。ちなみに好きなアーティストはMr.Childrenだよ。


「もう救いようがないわね。ぺこりさんがしっかりしないと、あなたが作り出したキャラクターたちが救われないわ。全ての小説を最終的には一つの世界観で統一して大きなサーガにする計画はどうするのよ!」


 ああ、そんな事も昔、言いましたね。無理無理。薬の飲み過ぎで脳がいかれちゃって、発想というか、アイデアを生み出す機能が全く発動されない。それどころか、物忘れがひどくて、若年性アルツハイマーの疑いすらある。


「あたしたちの事も忘れてしまうの?」


 残念だが、そうなるだろう。でも、カクヨムが続く限りは作品の削除はしないつもりだから、酔狂な人が、たまに読んでくれるよ。きっと。でもね、バックアップはとっていないから、カクヨムのサービス終了とともに君たちは消える。


「そ、そんな……バックアップぐらいとってよ」


 面倒くさい。そういう、ちまちましたことをする気力は今のおいらにはない。


「じゃあ、いずれお別れの日が来るのね」


 そうだね。さよならが迎えにくる日が必ずくる。これミスチルのパクリ。


「もういい。さよなら」


 さよなら。


 舞子は去りました。さてと、今後のおいらの活動方針をお伝えしましょう。この駄文集は前にも言いましたが、百話でおしまいにします。でも、すぐに、おんなじような愚痴を書き散らす、お目汚しの凡作を書いてしまうでしょう。たぶん。過去の経験則から見て、フォロワーさまはガクンと減り、PVも少ないでしょう。それでもいいんです。ただ、何かしら文章を書きたいんです。本当は小説を書きたいんですけど、本当に頭の中が空っぽのカランコロンチンチロリンなので無理。今、考えているのは、紙の本が読めるようになったので、その読書感想と日々感じたことをつらつらと……って、この駄文集とおんなじですな。まあ、そんなところです。ちょっと、長くなっちゃったな。とりあえず、あと三回、お付き合いくだされば幸いです。

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