第96話 一気読み

 やあ、おいらです。


 ここ数日、読書欲が止まりません。夏から秋、そして冬と、ぜーんぜん、文庫本が読めなかったのにどうしたことか。理由は全くわかりません。やっぱり、ヤク中ですっ転んで、頭を打ったのかなあ。病院でというか薬局でもらっている薬はあんまり変わってないんだけどなあ。


 そういうわけで今日読んだ本は、東野圭吾さんの『夜明けの街で』です。おいら、東野さんの本、あんまり読んでいないんだな。好きか嫌いかどっちか選べと言われたら「どちらでもない」と答えるスタンスです。でも、積ん読コーナーで埃をかぶっているのを見つけてしまいました。そうです、躁状態の時に、いい気になって買っていたのです。買ったからには読む。だってもったいないから。


 今日は区役所のジョブスポットに行った関係で、午前中から日中にかけては本を読む時間も気持ちの余裕もありませんでした。今日もいい仕事見つからず。一箇所、妥協して書類選考に応募することになりました。たぶん落とされるでしょう。苦難は続くよ、どこまでも。


 で、家に帰って、疲れたので、TBSテレビの『ゴゴスマ』の最後の方と『Nスタ』を六時ごろまでぼんやりと眺めて「よし、読書しよ!」という気力が出てきて、積ん読コーナーに行き『夜明けの街で』を見つけたのであります。遅いスタートです。「東野さん、面白いのと読むの苦痛なのあるからなあ(あくまで、個人の感想です)どっちかなあ」と思いながら読み出したのですが、これは読みやすくて、面白そうな気がするってことになりまして、本格的に物語に引き込まれていくんです。


※極力注意しますが、ネタバレの危険性があるので、未読の方はご注意ください。


 物語は四十手前の妻子持ちの主人公が派遣社員として入ってきた女性とひょんなことから、深い関係になっていくというものなんですけど、男性目線の一人称で書かれているので「ああ、その気持ちわかる」「そうそう。男ってバカだよね」なんていう場面が連続していて共感が持てます。

 そこに、ヒロイン(不倫相手)が関わる十五年前の殺人事件が明らかになり、物語はミステリー、サスペンス色に染まります。勘の良い方ならわかると思いますが、焦点はヒロインが殺人を犯したかそうでないかというところがキモなのであります。私見ですが、この殺人事件、いらなーい。ページをくくる手が、少し、鈍くなりました。おいらだったら、ヒロインと主人公の妻との対決なんていうのがあったほうが、緊迫して面白いんじゃないかと思いました。

 全体の感想を言うと、序盤「おもしれー」中盤「ふむふむ」結末「ああそうですか」というところです。

 一つだけ東野さんにクレームをつけたいのは、ヒロインの名前が「秋葉」と書いて「あきは」と読ませるんですよ。「秋葉」って書いてあったら普通「あきば」じゃないですか? 苗字だと思っちゃいますよ。昔『秘密のデカちゃん』ってドラマで、鈴木ヒロミツさんが「秋葉刑事」という、三枚目の役をやっていたので、頭の中でモップスが『たどり着いたらいつも雨降り』を演奏しちゃってしょうがありませんな。


 それはともかく、午前一時十六分に読了。七時間ぶっ通しで読んでしまいました。それだけ、面白かったということでしょう。もちろん個人差がありますけどね。どちらかといえば、男性向けですね。

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