第76話 ねこがうるさい
やあ、おいらです。
ねこがですねえ、うるさいんですよ。
いつもだったらおいらのことなんか無視して、いろんなところで寝ているのに。おいらの姿を見るとさささっと逃げるくせに、今日はおいらの近くに来て、「ニャーニャー」鳴くのです。おいら、ねこ語なんてわからないから、どうしてやればいいんだか検討もつきません。だから無視します。エサはカリカリのが皿に入っている。飲み水のバケツは満杯だ。ねこトイレはちょっと汚いけれど、気にするほどでもないし、匂いもないから、おいら掃除しない。だいたい、このねこはおいらに全く懐いていない。ツレのステディーだ。メスだけど。だからおいらは構わないことにしている。残念だけど。
昔はもう一匹、ねこがいた。これもツレが独身時代にもらって来たねこなんですけど、こいつはおいらによく懐いていました。おいらが昼寝をしているとその、たいこ腹にジャンピングして来て、その上で何時間も寝てしまって、おいら、動けなくされたし、椅子に座ってると膝に乗って来ました。おいらはもともと、そんなにねこが好きではなかったんですけれど、懐かれれば情が湧いて来て、可愛くなるものです。おいらはねこ好きになりました。道を歩いていると、時々人懐っこい、野良ねこや、地域ねこがいて頭を撫でさせてくれます。可愛いものです。
でも、ウチのねこは撫でると耳を後ろにして固まります。耳を後ろにするのは嫌な気分の時だそうです。そうかい、おいらに撫でられるのは不愉快なんだなとおいらは「ゲラアウト」と言ってねこを解放します。
それはそうと今日のねこの荒れっぷりは尋常じゃない。具合でも悪いんでしょうか? そしたら寝込むか。
ねこが寝込んだ。
シャレにもなりません。本当は病院にでも連れて行かなきゃいけないのかもしれませんが、おいらには治療費がない。自分の病気の治療費さえないんだからムリムリ。第一、このねこはツレのねこであっておいらのねこじゃない。薄情だけど、勝手にしておくれ。ねこトイレくらい掃除してやるからさ。
ああ、ベイスターズが日本シリーズに進出決定したのにねこのこと書いたのは、自分を落ち着けるためです。おいら集団でバカみたいにお祭り騒ぎをするのは好きじゃありません。一人、じっくり喜びを噛みしめるのです。そして、カープファンの無念さを心にきざみつけるのです。
でもさ、公式戦ではベイがカープに勝ち越してるんだよね。つまり、ベイの方がカープより強いってわけだ。今回のファイナルステージの結果は当然の帰結だったというわけですね。ははは。
どうせ、日本シリーズでホークスにこてんぱんにやられるから。それまで夢を見せてくださいな。あとは清宮くんか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます