第57話 やっちまった

 やあ、おいらです。


 前話も失敗作だったようです。長く書いていると、そういうこともあるだろうって気持ちを入れ替えて、精進しますわ。良かったらお付き合いください。


 おいらの好きな作家に逢坂剛さんがいるんですが、彼にはライフワークと言える『イベリア・シリーズ』があります。第二次対戦下の各国のスパイの活躍を描いた作品です。この度、ようやく完結しました。おいらはどうせなら最初から読み通したいと思いましたが、引越しの際に、古本屋に売ってしまっていたのです。痛恨のミスです。新しく買い直さないといけませんが、ここで気になるのは、現在流通しているのかということです。早速、検索しました。第一作『イベリアの雷鳴』は生きていました。気を良くして、次の『遠ざかる祖国』を検索、うーん、現在在庫なし。おいらの楽しみはここで早くも潰えました。おいらは古本が読めないので、全てパーです。あとは、新装版が出るのを待つしかなさそうです。


 おいらが選ぶ、逢坂さんのお薦めは『カディスの赤い星』と『燃える地の果てに』の二大長編です。あっと驚く仕掛けがあって、面白さ抜群です。是非呼んでください。


 あっ、ベイスターズ負けた。早く寝よ。


 そう思ったら、ジャパンテレビの人がやってきて「24時間テレビのチャリティランナーにぺこりさんがなりました」という。まさか、このデブに、走らせようというのか? だいたい素人のくまだぞ。道路使うにも許可がいるだろう。一応、猛獣だから。おいらが文句を言うと、ジャパンテレビの人は「許可は下りています。あとはぺこりさんのやる気次第です」と突っ込んでくる。おいらは、ならば水卜麻美アナと一緒なら走ると条件をつけたが「総合司会は走れません」と拒否された。「代わりにブルゾンちえみが一緒に走ります」と言うので、美人かい? って聞いたら「見ようによっては」と言う返事。納得はいかないが、熱心に口説かれては仕方ない。くまのパワーを見せつけてやろう。そう宣言すると「ああ、それには及びません。途中でタクシー使ってもいいですから」と言う脱力する衝撃の一言。じゃあ、今までのチャリティマラソンは? おいらが聞くと「ええ、間寛平さん以外は使ってます。タクシー」そうなんだ。おいらはテレビ界の闇を見た。


 日本武道館に向かう車でおいらはなんで、チャリティランナーに選ばれたのか聞いた。「だって、日本語喋れるくまなんて世界中探してもぺこりさんしかいないじゃないですか」と言う返事。そりゃそうだ。まあ、頑張ってみるか。


 この後半の話はフィクションです。実在する番組とは一切関わりありません。

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