第30話 無から無を生む 無から夢を生む
やあ、おいらです。
区切りの30話となりました。続ける? やめる? うーん、まだ言いたいことが出て来るかもしれないからもうちょっと続けようかな。
で、今日のお話は? えーと、えーと、特に話したいことはありません。黙秘しますよ、刑事さん。
「じゃあ、カツ丼食わしてやらないぞ」
えー、ケチ。なんてね。おいら知っているんだ。取調室のカツ丼の出前の金は被疑者が自分で出すんでしょ。おいら、お金がないから、コンビニの調理パンでいいです。カレーパンと、コーンパンと、あんドーナツをお願いします。
「被疑者おいらくん。それはかなりカロリーが高いよ。君のそのたいこ腹がますます大きくなる」
平気です、ここ二、三日、畑で取れたミニトマトだけ食べていましたから。
「ミニトマトは糖質高いんじゃないか? 甘いだろ?」
そういえば甘いですね、あれって、糖質ですか。血糖値あがっちゃうなあ。
「薬飲んでるんだろう?」
ええ、でも通っていた病院が内科から整形外科に変わっちゃったんですよ。患者本位じゃないですよね。頭にきたので、行くのやめることにしました。宣言します。おいらは糖尿病で死にます!
「軽々しく死ぬなんて言うな。世の中には死にたくなくても死んでしまう人がたくさんいるんだ。お前だって亡母の末路見ただろう」
見ましたよ。意識は混濁して何も見えなそうでした。酸素を吸入してゼイゼイ言っていました。おいらは母の手を取りました。顔がおいらの顔の正面を向きました。おいらはどうしていいかわかりませんでした。悲しい気持ちはありませんでした。早く、楽にしてあげたいと思いました。しばらくして母は亡くなりました。涙は出ませんでしたが喪失感がどっと出ました。
「人間、いつか死ぬ。この世の唯一の事実だ」
おいらもいつか死ぬんですね。最近、そのことだけを考えています。いつ死ぬかわからない。それまでは楽しく生きようってよく言われますけど、おいらはそんなにお気楽になれない。秋には死んでしまいたい。
「自殺は逃げだ。生き残る道を模索しなさい」
それが、自分のできる仕事が見つからないから、死を選ぶのです。
「なんでないんだ?」
検索サイトで仕事を見ても、条件が合わないんです。
「諦めるなよ」
おいらの気持ちなんか、あんたにはわからない。
「まあ、わからんな。俺は定職についている」
「なあ、ところでなんの容疑で、君はここにいるんだっけ?」
さあ。前回、前々回と不祥事が続いたからじゃないですか?
「それって、別に犯罪じゃないじゃん」
じゃあ、釈放してください。
「いいよ!」
おいらは警察署を出るのです。実は今日は書くネタがなかったんです。だから頭を絞って、無から有を生み出そうとしましたが、生まれたのは無でした。せめて
ベイスターズがカープに勝った! これで、まだ生きていられると思います。千字超えたので今日はおしまいです。読者の皆さん、宵っ張りが多いですね。徹夜ばっかりしていると躁病になりますよ。ご用心、ご用心。
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