第12話 文庫新刊
やあ、おいらです。
金がないので買えないんですけど、文庫本の新刊発売一覧表を見るのが好きです。書店員だった頃は、日販速報に月一回挟まれていた、文庫新刊一覧を楽しみにしていて、仕事もそっちのけで熟読していました。おいらは実は、本を読むより、本を買うという行為が好きなのです。だから今は、唯一の楽しみを奪われている感じです。
さて、本屋を追い出されてから、日販速報を手にいれることができなくなったおいらは、インターネットで文庫新刊の発売予定を調べています。その中で、割合見やすかったのが、取次の太平社のホームページでした。しばらくはそれを見ていたんですが、なんと太平社、廃業してしまったんです。ガクーン。おいらに好かれると破滅するぜ。落ち目の時は悪いことばかり重なるものです。
それからは、名前は伏せますが、いくつかの文庫新刊一覧表をネットで見ましたが、どうもしっくりいかない。欠点が多くて見づらいんだよなあ。いつしか、おいらは文庫新刊探しをやめてしまいました。どうせ、買えないもんね。
それが数ヶ月した時「ああ最近、文庫の新刊追っていないなあ」と思い出したおいらは、久しぶりに“文庫新刊”をググりました。すると、今までなかったページがありました。
『ほんのひきだし』
なんだか可愛く整理されたトップページです。早速文庫新刊一覧のページへGO! ふむふむ、発売日順と出版社五十音順に分かれているのか。残念、おいらが求めている、著者名五十音順はありませんでした。まあ仕方がない。ここは出版社五十音順を見ていこう。今月から見てみるかな。うん、割と見やすい。おいらはこのページをとても気に入りました。麻耶雄嵩の『さよなら神様』が文春文庫から出てる! 欲しいな。でも買えないか。おいらが金を得るまで、重版未定にならないでいてね。
おいらは他のページも見ることにしました。そしたら、可愛い女の子が店長になって本屋を開くみたいな企画のページがありました。
「いいな、この本屋さんの店員になりたいなあ」
どこかに、店員募集のコーナーでもないかと、おいらは必死に探しました。でも、そんなものどこにもありません。がっくり。最後に運営会社という欄を見つけて「どうせ、東京の小さい企画会社だろう」と思って見たら、日販が運営会社でした。日販の方、この文章見たら、その書店においらを入れてくださーい。安月給でも働くよ。汗水垂らして働くからさあー。気づいてー。これをもし読んだ書店員の方、お店の日販担当者に、この話をしてください。横浜の書店で働いていたよろしくま・ぺこりですよー。実の名が書けないのがもどかしい。連絡はカクヨム運営気付まで。ぺこり。
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