第10話 痴呆症か?
やあ、おいらです。
なるよなあ、こんなに向精神薬を飲んでたら、脳みそになんらかの悪影響が出て当然ですよね。ねって言っても、おいらが何種類、向精神薬を飲んでいるかはお客様は知りませんよね。数えてみます。睡眠薬はぬいて五種類。睡眠薬は二種類。そう言えば『私は薬に殺される』って本が昔あって、おいらはそれを拡販したかったんですが、出版社が見城徹の幻冬舎で、いつ注文しても「品切れ重版検討中」って答えで、腹立ったなあ。幻冬舎嫌い。まあ、そう言ったってもはや、おいらには関係のない話だ。
それはともかく、薬に殺される。おいらの脳は、向精神薬にやられちまって、小説を書くこともできないし、有名人の名前も覚えてられない。「顔は脳裏に出てるのよ。あのドラマのあの俳優よ」と近所のおばさんみたいに、答えが出るまでもがき続けているんです。近所のおばちゃんに知り合いはいませんが……
おいらの病状は若年性認知症(痴呆症)でしょうか? アルツハイマー症でしょうか? 脳神経外科に行ってスキャンしてもらうのが、一番なんですが、ほら、チェルシー……ではなくて、金がない。歯も入れられないのに、スキャンなんかできない。その結果、決めたことは、
「延命治療はいたしません」
ということです。パニックの発作が起きると「死にたくない」と思いますが、認知症ならわかんないうちに逝ってしまうじゃないかな。その際、モルヒネは絶対もらおう。合法麻薬だもんね。一度くらい試して見たいなあ。
認知症なら次第に記憶を失っていって無になってあの世に行く。今世で起きた様々な失策、羞恥、思い出したくない記憶が消えて、0の状態で次のステージに進めるかもしれません。
でもさ、あの世ってあるんですかね? どうも、ないような気がしてなりません。どんな人生を送っても、最後は死ぬ。これだけが真実です。
死んだ後のことは死んでから考えればいい。魂ってものがあるならばだけど。どうなんだろ? 魂があるなら、来世を迎えることは可能です。でも「もういいよ」と拒否する魂もいるんでしょうね。人間のステージ、悪いことばっかりだから。もう、現実に期待することはない。おいらの人生はどこかずれている。ここらで、反動のように良いことがあれば、歯医者にも行くし、脳神経外科にも行きますよ。いいことあるなら長生きしたい。
結局、宝くじを買うしか、可能性がないってことだ。
「延命治療はいたしません!」
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