第9話 直木賞が岩波書店?
やあ、おいらです。短文です。
今回の直木賞、佐藤正午さんっていうのは、まあ知名度から言って順当かなと思うんですが。(おいらは一冊だけ読んで壁ドンしてから敬遠しているけどね)出版社がねえ、岩波書店だなんて、奥さん信じられますか? 案の定、岩波書店、初受賞だって。
なんで岩波書店が問題かというと、岩波は書籍業界の根本をなす委託販売制度をしていなくて、買い切り制度を実施している出版社なんです。これは専門書を扱う小さな出版社だったらいいんですけどね。小説、しかも直木賞なんかとっちゃうような本を岩波が出しちゃって、各書店の文芸書担当も仕入れをいくつにするか? 頭を悩まされていることでしょう。大量に売れ残ったらたいへんです。
岩波も舞い上がっているのはいいですけど、実際のところ刷り部数を決められないんじゃないかな。
岩波を出版社の良心という人もいますけど、おいらはそう思わない。日本中の書店に眠る、岩波の不良在庫を集めて、岩波書店に返品することができたら岩波は簡単に倒産しますよ。世の中に不必要な本ばっかり作っている、書店経営を圧迫している出版社が岩波書店なんです。
そんな出版社から出された本を直木賞にするなんて、選考委員もどうかしてるぜ。
本当に良心があるなら、今回の受賞作、委託販売にすればいいんだ。そうすれば、書店員も安心して大量販売ができる。そうでないと、佐藤正午さんの他の本ばっかりが書店に並んで、肝心の受賞作が店頭になかったりする珍現象が起こったりしそうですな。
又吉さんの『火花』は別として、芥川、直木賞の売れ行きって昔に比べて落ちているような気がします。昔はそういうのを買っていた若者が、今はライトノベル、アニメなど多様な方向に流れて、小説に目を向けない。でも恩田陸さんの『蜂蜜と遠雷』なんかはよく売れたそうです。どんな人が買っているんだろう? 恩田さんの「何これ?」と思わせる、独特の物語の閉じ方に、恩田ビギナーの人はついていけるのでしょうか? 恩田さんはとにかく『光の帝国』を読め! と強く勧める、おいらでした。
それはともかく、岩波書店の本が直木賞を取るという異常事態に書店業界は騒然としているでしょう。おいら、そこから追い出された身だ。だから、一言言いたい。「頑張ってください」
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