5、小槌魚のはなし
津の国の
むかし、
横佐の狙いは小間槌の所持していた
無垢のむかでと大枚の金を手に入れた横佐は、
横佐は、気のついた若い衆を連れてそのまま女郎屋へ帰りましたが、そのまま
死ぬ前日ごろから横佐はうわごとを言うことがあり、看病の者がそれを聞いたところ「右の腹が痛む、痛む、何かが出て来る」という内容だったので、医者にもそれを告げたのですが、薬では何も効果が無かったそうです。遺骸をどうしたものか店の者が困っていると、ふしぎなことに横佐の口の中から、一匹の小魚が跳ね出て来て彼の荷物のところでびちびちと動き回ったかと思うと、そのままぐったりと動きをやめてしまいました。
その小魚の死んだのを取り除けようとしたところ、横佐の荷物包みの中から、無垢のむかでが転がり出て来ます。その女郎屋の者にはそれに見覚えがある者が幾人か居たものですから「オヤ、あれはこのまえ谷に落ちて死んだ小間槌サンの……」と、悪事のいとぐちが露顕したということです。
その小魚とむかでをひとまとめに埋めて、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます