第8話

関係を終わらせよう。


そう連絡したあとに会ってしまう日々。

もはや終わらせる手段を失いかけていた。






種田が切ってくれれば終わるんだけど。


私はいつかそう言った。


じゃあばいばい、なんて言えないよ。ごめん。


そう言って彼は笑った。




「何が悪い?」

「普通に考えたら」

「自分が幸せならいいじゃんそれで」

「だめだよやっぱ」

「わからない、わからない」


そんな自問自答をくりかえしていた。






「別に好きにすればいいと思うけどね。」

電話口で男友達はそう言う。


「何度も言うけど。これは結衣の人生なんだからね。

もし、俺が女の子だったら。

自分のこと性的対象にしか見てない男となんてやりたくないって思うかもしれない。

セックスは、大切な人としたいって思うかもしれない。

でも俺は男だから、そんな風には思わないんだよね。」




まあ世間体には気をつけて。ばれたらまずいでしょ、とそいつは最後に苦笑した。





変わりたい。変われない。

会いたい。会いたくない。
















でも急にそんな日々に終わりが来た。


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