夜這星夜鷹のなみだ光りけり

【読み】

 よばひぼしよだかのなみだひかりけり


【季語】

 夜鷹(夏)


【語釈】

 夜這星――ながれぼし。流星。

 夜鷹――よたか。「ヨタカ目ヨタカ科の鳥。全長約29センチ。全体に茶褐色の細かい模様があり、くちばしは小さいが、口は開くと大きく、周りに長い剛毛をもつ。夜、飛びながら昆虫を捕食し、キョキョキョと早口で鳴き、枝に平行に止まる(後略)」(デジタル大辞泉)。


【大意】

 夜空に流れ星が光ったが、あれは星になったという夜鷹のなみだなのであろう。


【附記】

 宮沢賢治の童話「よだかの星」による。「夜鷹」は通常と澄んで読むらしい。いま句中の濁音の多さに鑑みて、読みをと濁った音にした。


「夜這星」は、現在では秋の季語とされるらしい。


【例歌】

 光りつつたちまち消えし流れ星あかつきの海はいまだ暗しも 古泉千樫


【例句】

 星飛で風の笛ふく寒さ哉 存義ぞんぎ

 初秋や合歡ねむの葉ごしの流れ星 正岡子規

 冬の夜や星流れこむ海のはて 同

 流星一道斥候秋の江を渡る 寺田寅彦


 玉霰たまあられ夜鷹は月に帰るめり 一茶

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