日傘さす口もと見ればほくろかな

【読み】

 ひがささすくちもとみればほくろかな


【季語】

 日傘(夏)


【大意】

(まぶかくかざした)日傘からのぞく(婦人の)口もとを見ると、ほくろがついているのであった。


【附記】

 女性のくちびるのななめ下にあるほくろを「つやぼくろ」と言い、それがあると男性にもてるとされるらしい(大辞林 第三版より)。


 男性用の日傘も存在すると聞くが、普及していないことだろう。女性らしさの象徴と言えるかもしれない。


 日傘は「日からかさ」とも言う。


【例句】

 降るものは松の古葉や日傘 嘯山しょうざん

 僧正そうじやうが野糞遊ばす日傘哉 一茶

 さしつれて若紫の日傘かな 内藤鳴雪

 日傘して女牛飼通りけり 村上鬼城

 麦秋むぎあきや庄屋の嫁の日傘 正岡子規

 こぼるるや日傘の上の椎の花 同

 清水の阪のぼり行く日傘かな 同

 遠山や馬も日傘も橋の塵 尾崎紅葉

 日傘して琉球人りうきうびとの妻ならん 寺田寅彦


 君が代の日傘に成りしさくらかな 辰下

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