曇天にい照りかがやく牡丹かな

【読み】

 どんてんにいてりかがやくぼたんかな


【季語】

 牡丹(夏)


【語釈】

 い照りかがやく――照りかがやく。は動詞について語調をととのえる接頭辞。


【大意】

 くもり空の下に牡丹の花がひかりかがやいていることである。


【附記】

「曇天」「牡丹」といった漢語とともに「い照りかがやく」という上代風の語句を用いて和漢折衷に努めた。


【例歌】

 草つつみ病みふせるわが枕邊まくらべに牡丹の花のい照りかがやく 正岡子規


【例句】

 金屏のかくやくとして牡丹かな 蕪村

 方百里雨雲よせぬぼたむかな 同

 曇天にされて咲ける牡丹かな 芥川龍之介

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