ひだまりに思ふことなきつつじかな

【読み】

 ひだまりにおもふことなきつつじかな


【季語】

 つつじ(春)


【語釈】

 つつじ――ツツジ科ツツジ属の植物の総称。


【大意】

 ひだまりに、思うこともないようすでつつじの花が咲いていることである。


【附記】

 かようなことを言い出すのは詠み手がなにかを思っているからに他なるまい。なぜ一生をこうも長く感じるのだろう。神の采配ミスを疑う。


 たとえば一茶(1763-1828)であれば中七を「あつけらかんと」とでもしそうなものである。わたしとしてはくだけたことばの安易な使用は戒めたい。


 なお、ひだまりは冬の季語。


【例句】

 近道へ出てうれし野の躑躅つつじかな 蕪村

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