花の香のすこしうるさき夜道かな
【読み】
はなのかのすこしうるさきよみちかな
【季語】
花の香(春)
【大意】
桜の花のにおいがすこしうるさい夜道だなあ。
【附記】
桜折るばか梅折らぬばかといって梅の趣のひとつはそのにおいにあるとされるらしい。わたしの実感は逆で、梅の花のにおいを嗅ぎ取り得たためしがない。正岡子規(1867-1902)も梅の花のにおいはさように強いものでないと言っていたように思う。
夜道を夜風とする考えがうかんだもののすぐさま却下した。風といわずに風を感じさせるような句をものしたいきょうこのごろではある。
【例句】
鐘消えて花の香は撞く夕
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