詩の神も見ずや浮世の夏ごろも

 かみずや浮世うきよなつごろも


【季語】

 夏ごろも(夏)


【語釈】

 夏ごろも――夏に着る衣服。特に和装をいう由。


【大意】

 肌をおしげもなくさらすこの世の人々の夏服すがたを、詩の神もみそなわすにちがいない。


【補説】

 新しい酒を古いさかずきに盛ったとでもいうべきか。


【参考句】

 夏衣旅日記も京に着きにけり 重頼しげより

 片袖や春にひかるゝ夏衣 可心かしん

 老ひとつこれを荷にして夏衣 嵐雪らんせつ

 みどり子や此比このごろ歩む夏衣 尚白しょうはく

 猫の手も江戸えどごしらへや夏ごろも 李由りゆう

 山吹の花に湯入ゆいりの夏ごろも 樗良ちょら

 旅涼しうら表なき夏ごろも 几董きとう

 夜をこめてうつや浅黄の夏衣 巣兆そうちょう

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