あぢさゐやおとなの猫を隠すほど

 あぢさゐやおとなのねこかくすほど


【季語】

 あぢさゐ(夏)――『花火草はなひぐさ』(1636年刊)に所出の由。


【大意】

 おとなの猫を隠してしまうほどの大輪の紫陽花だなあ。


【補説】

 紫陽花の花の大きなことを言った。子猫ではなく大人の猫と言ったところがちょっとした工夫のつもりである。


 おとなの猫ほど、としてもほぼ同じ意味内容であるが、同じ助詞(ここでは)の続くことを嫌って現行の案に落ち着いた(私はおおそにおいて一句のうちに同じ助詞を複数回用いることを避けたいと思っている)。


【参考句】

 春雨や小磯の小貝ぬるゝほど 蕪村

 しらつゆやさつ男の胸毛ぬるゝほど 同

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る