春風や東を西と聞きながす

 春風はるかぜひがし西にしきながす


〔季語〕

 春風(春)


〔大意〕

 春風を東から西へと聞きながすのであった。


〔解説〕

「馬耳東風」「馬の耳に念仏」「右から左に聞き流す(受け流す)」という語から句を作った。無内容だが、「○○の話を聞いて」(○○は任意の人名)という旨の詞書ことばがき(前書き)を附して詠んでいたとすればちょっとした皮肉になっていただろうと思う。


 春の風は東から、秋の風は西から吹くものとされているらしい。


〔参考句〕

 いなづまやきのふは東けふは西 其角きかく

 菜の花や月は東に日は西に 蕪村

 西吹ばひがしにたまる落葉かな 同

 耳の穴掘つてもらひぬ春の風 夏目漱石

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