鵯や花を団子と為す心

 ひよどりはな団子だんごこゝろ


〔語釈〕

ひよどり」は(秋)。


〔大意〕

 ヒヨドリは花を食べることがあるが、それは花をも団子となしてしまう心なのだなあ。


〔解説〕

 これは無論、「花より団子」ということわざにっている。ヒヨドリの行為に、花か団子かという二律背反を超越した境地を見た。滑稽趣味の作品。


 私は「こころ」という和語がとても好きで、どれほど好きかといえば、「さくら」などとともに好きな三文字の和語の筆頭に挙げるほどだが、そういうわけでこのような句の結びにした。


〔参考句〕

 両の手に桃と桜や草の餅 芭蕉

 夕貌の花噛ム猫や余所よそごゝろ 蕪村

 夕顔のはなふむ盲すゞめかな 暁台きょうたい

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