さるすべり花のあはれはその名前

 さるすべりはなのあはれはその名前なまへ


 さるすべりの花のあわれを催すところは「さるすべり」というその名前であることよ。


 なんのことはない句だが私なりの問題意識を示唆するねらいもあって投稿することにした。それというのは、名前によってはどうしても詠みにくいものがあるのではないかということである。


 さるすべりは「百日紅」または「百日白」の字を宛てることからもわかるように花の時期が長い。私はその花に真夏の風物詩の感さえ覚えるのだが、「さるすべり」という和語のために損をしている気がする。漢語の名前にしても「ひやくじつはく」「ひやくじつこう」と六音になり、字余りせず定型を守ろうとするときにはいくぶん勝手が悪い。


 比較的最近になって知られるようになった海外のものや国内でも局地的にしかないようなものは、その土地での呼称はいざしらず和語の名前は長い傾向があるだろう。それらを詠むのに短歌やまして俳句形式は短すぎるのではないかと思うこともある。それらのものを調べも高く詠むのは、私にはかなり高難度のことに思える。

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