第三話 未来
「バイバーイ!また明日ね!」
「バイバイ!」
みんなが校門の前で
別れの挨拶を交わす。
「あ、いたいた。壮一郎ー!」
「げっ、、、。」
「げっ、とはなんだ!」
怒りながら僕の所に走ってくるのは、入学式の時に初めて出来た友達。
彼の名前は池本 匠。
とても優しくて面白い。
イケメンで、スタイルも抜群。
誰もが認めるパーフェクトボーイ。
まあ、女子にもモテモテな
ワケですよ、、、。
なんでそんな好青年と友達に
なったかって?
、、、聞きたい?
、、、秘密。
いずれ分かるよ。
そんなわけで、匠とは
旧知の仲みたいな感じで仲が良い。
「壮一郎、聞いてくれよ〜。」
「どーせまた、後輩かにでも
告白されたんでしょ。」
「なっ、なんで分かったんだ!?
さすが俺の相棒!」
「一言余計、、、。」
こんなくだらない話をぐだぐだと
して、別れ道まで歩く。
「じゃあ、僕はこっちだから。」
「ああ!じゃあまた明日な!」
「うん。バイバイ。」
匠といるとあっという間に時が進む。
僕はイヤホンを耳につけて
1人で音楽を聴き歩き出す。
「ニャオォ」
、、、あいつか。
僕が後ろを振り向くと
そこには1匹の真っ黒な猫が
座っていた。
阿無だ。
「わざわざお迎えですか。」
「私だってしたくてしている
訳ではありません。」
「はいはい。お勤めご苦労様。」
ため息を吐きつつ、僕はまた
歩き出す。
僕の家は山にある古い物置小屋。
家というより、ただの寝る場所。
アパートとかを借りるお金もないし、
大家さんに自分の正体が
バレても困る。
だから人目のつかない場所の
誰のものでもないこの物置小屋を
僕の仮の家としてる。
僕は家に着くなり
荷物を置いて、横になる。
阿無は、、、。
きっと木の上で空でも
見ているんだろう。
僕は一体どうなってしまうんだろう。
自分の未来が全く見えない。
そんなことを思いつつ、
僕は物置小屋の中で眠りについた。
嘘つきな狐 ゆーきさん @choromathu
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