第ニ話 母様
ー四年前ー
「お腹すいたなー」
僕、壮一郎はそう言いながら
お寺にお供えされてたお稲荷さんを頬張る。
「あらあら、、、そんなに食べたら
太りますよ…。」
「!!!母様っ!!」
僕は持ってたお稲荷さんを一気に
口に入れて、母様の胸に飛びつく。
母様は、僕が今住んでいる森の
お偉いさんらしい。
だからいつも母様はお仕事に出ていて
僕はいつも一人ぼっち。
…淋しい。
だからこうして母様が早めに帰られた時は
ほんとに嬉しくてとにかく
最初は胸に飛びつくんだよね(笑)
そんなある日…
なんと母様に1週間の休暇が
与えられたんだって!
僕はもう、嬉しくて嬉しくて!!!
僕は1週間、ずっと母様の隣で
今まであった出来事とかを
喋るだけ喋った!
新しく出来た友達のこととか、
森で新しく見つけた草のこととか、
カラスとお稲荷さんの取り合いを
して、勝ったこととか…。
母様もすごい笑ってくれていて…。
その時は本当に楽しかったなぁ…。
そう、その時までは…。
僕があの時、あんな事を言わなければ…。
母様はまだ、僕の隣で笑っていただろう。
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