世界で一番早い新年!(後編)
夜11時半、俺と麻衣は再びホテルの食堂に向かった。そしてホテルのスタッフ・宿泊客揃って外に出る。
そして1月1日午前12時、その瞬間、海の方から花火が放たれた。そう、このキリスィマスィ島は世界で一番早い新年を迎えたのだ。
そして俺たちはホテルに戻り、眠りにつく。そして朝6時前、再びホテルの食堂に集合するため起床。ホテルの玄関前に出て初日の出を見る。その後は朝食の時間を経て、自由行動となった。結局、その日は2人とも寝不足だったため昼まで寝ていたが。
そして夕方、夕食のためホテルの食堂に向かう。今日の夕食は現地で新年を祝うものらしい。この島に滞在して1週間、現地の人ともかなり馴染めるようになった。しかしまだ1週間もここに滞在しなければならないのか・・・
翌日から日曜日までの4日間はバカンスを楽しんだ。とはいえ、海で泳ぐか釣りをするかの二択しかなく、毎日のように麻衣の水着姿を見ていた。大好きな人だから何度見ても飽きないんだけど。
そして月曜日(13日目)、この日はバードウォッチングのため隣の島に向かった。午前中はその島でバードウォッチングをし、午後は船から釣りを楽しんだ。
火曜日は午前中、塩作りの見学と養殖魚の見学を行った。午後は市場で土産物を色々買った。そしてホテルに戻ると夕食と送別会があった。しかし明日は朝早いため、送別会後はすぐに寝た。
そして最終日、この日は朝4時前に起床し、そのまま朝食を食べるとすぐ空港に向かった。そのまま朝の便でホノルルに向かう。所要時間は3時間。ホノルルに着くとまだ昼前だった。ただし向こうとは1日遅れ。結局、便の関係で成田に戻るのは明日の朝になったため、この日はホノルルで1泊することにした。
ホノルルに着くと荷物の受け取りや入国審査があり、その後昼食を食べた。そして昼食後、一旦空港を出る。そして空港周辺をぶらぶらした。俺も麻衣もハワイには何度か行っているが、やっぱりハワイは何度行ってもいいものだな。結局ハワイでは買い物を中心に楽しみ、空港近くのホテルに泊まった。夕食はハワイらしくロコモコ丼にした。
翌日、俺と麻衣は午前発の便で日本に戻った。日本に戻った頃には昼になっていた。そして寒い。自宅に戻ると、
「・・・お互い焼けたな。まぁ2週間も赤道付近にいるとそうなるか。この季節なのに皮も剥けてしまった」
「そうやな。せっかくオイル塗ったのにこれじゃ無駄や。もう疲れたし今日は一日休むわ」
と俺と麻衣はそう喋った。
しかしこの16日間、年末年始の休みを丸々新婚旅行に使うことになってしまった。日本に戻ったし、明日からはまた仕事づけか。1月はもう休めないし、2月3月はまた月に1回しか休めなくなる。これは麻衣も同じなんだろうけど。
◇ ◇ ◇
日本に帰国してからの麻衣は体調が優れなかった。仕事に支障をきたすレベルではなかったが、最初は夏から冬という急な気候の変化についていけなかっただけだと思っていた。しかし、帰国から1週間以上経っても体調が優れないままだったので、麻衣は仕事を休み、病院に向かった。
夕方、麻衣は病院から帰り、その時仕事中だった俺に電話をかけた。そして電話の内容はこうだった。
「・・・うち、妊娠してるって。妊娠3ヶ月言われた。詳しいことは優が帰ったら話すから・・・」
麻衣のその言葉に、俺は一瞬時が止まった。
仕事を終え帰宅すると、深夜の12時になろうとしていた。俺と麻衣はダイニングテーブルに向き合う。俺が座る机には麻衣が作った夕食が用意されていた。
「優、子供男の子なんやろか・・・それとも、女の子なんやろか・・・」
麻衣はまず、俺にこう言った。
「そうだな、俺はどっちでもいいけどなぁ・・・でも仕事はどうするんだ?」
と俺は言う。すると、
「当分仕事は続けるつもりや。でもしばらくしたらセーブせなあかんかも」
麻衣はそう言った。そして、
「今の家じゃ、子供の住む所がないな。3人で暮らすには狭い。今はいいけど、成長したら引っ越そう」
と俺は2LDKの自宅マンションからの引っ越しを提案した。麻衣は、
「せやね。でも、4LDKの一戸建てに住みたいわ」
と俺の提案に同調し、さらに4LDKの一戸建てを要求してきた。俺は麻衣の要求に、
「・・・そうだな。でも都内から離れられないし、最低でも1億はかかりそうだな。ただでさえこのマンションも都内一等地で家賃数十万円だというのに。でも芸能人はみんな何億もの豪邸に住んでるからな。親父から金の援助してもらえれば何とかなりそうなんだけど・・・」
と言った。そして俺は、
「まぁ、2人目ができるか、子供が小学生になるまではこのマンションに住もうか」
と麻衣に言った。
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