˙˚ʚ❷ɞ˚˙



〈下界上空にて〉

『あのカクヘイキって人が運んでるじゃん』

『あっモモいい事思いついた!

人ごと落とすってのはどう??』

『『却下』』

『えーなんでー!』

『悪魔ならまだしも、人間よ?それじゃぁ人殺しだわ。』

『アキちゃんかたーい』


まだロケットミサイルが開発されていない32世紀。戦闘機で落下予定座標まで運んで、落として逃げるという作戦だったらしく、シンプルだが、人間を殺せない4人には大迷惑である。


『じゃあ、死んじゃったら蘇生させればいいじゃない。』

『ねねってば、あったまいいー!』

『蘇生させるの私じゃない。嫌よそんなの。

あ… 戦闘機の周りだけ結界張って、時間止めて、操縦者眠らせて爆弾外すってのは?』

『アツミ、それいいわね。』

『でも、爆弾はどこで爆破させる?RR2線っていう良くない物質が出るでしょ』

『そんなの真空パックにすればいいじゃん!酸素なきゃ燃えないしぃー

アキなら出来るよね?』

『出来ないわけじゃないけど、アツミの翼の羽が必要になるわ』

『2,3枚ならどーぞ。』

『3枚?!ケチぃー!モモなら全部あげるのにぃー』

『あれは背徳的行為だから激痛を伴うのよ。それから、全部抜いたらあんたら双子は帰れなくなるわよ。』

『じゃあ、双子はアマラガ王国の操縦者眠らせてちょうだい。私が結界を張るわ。アツミは羽根の用意を。』


「「「御随意にどうぞ、大天使様」」」


『我が翼は神のもの。我らが神が愛し、慈しみ、護らんとする人間のためにこの翼を手折ること、赦したまえ。』


「「こんにちは兵士さん!人間も空を飛べるようになったのね!」」

「なんだコイツら?!」

「どうやって飛んでいるんだ!」

「「神の愛子に安らかな眠りを一時授けん。おやすみ、坊や」」


『我が名はアキ=ルミエ=ニルターニャ=テ=シキルトン。神のイコールを賜った者。その深蒼を用い、ここに聖書第23項に基づき結界を設けん。』


ここまでは手筈通り。


『爆弾を結界の中に。私はこのまま女神様の元へ持って行きます。皆は両国の担当の天使達に情報共有をしてちょうだい。』


「「「はーい」」」


〈ニハワ公国上空にて〉


『ねね、私他の天使達苦手ぇ。』

『そうね、まぁ、仲良くとは行かないよね。でも、それで叩かれるのはアキちゃんよ。何を言われてもカッとなってはだめ。品良く、大人しくしていなさい。』


『うわっ人間くさいと思ったら双子じゃない。何しに来たの?』

『あなた達の尻拭い完了のご報告に上がりました。核爆弾は無事処理しましたのでご安心を。爆弾が落ちる心配はありませんが、あなた達の評価は落ちると思いますよ?』

『口の利き方に気をつけなさい、モモ。事務仕事が得意な方々にそんなこと言っても仕方が無いでしょう。』

『はぁーい。ねね、帰ろう。』

『あんた達!大天使様の親衛隊だからっていい気になってんじゃないわよ!出来損ないのくせに!』

『羽虫がキーキーうるせぇんだよ、出来損ないでも役立たずよりマシだ。』

『モモ、行くわよ。』

『はいはーい!あっ、それから、あなた達の翼とっても色が汚いからしまってた方がいいわよ?』


双子達はほかの天使達と馴染めていないが、元人間というだけが理由では無さそうだ…

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