˙˚ʚ❶ɞ˚˙
貴女が私たちを救ってくださるならば。
貴女が私たちを愛してくれるならば。
貴女が私を思ってくれるならば。
貴女の盾となり剣となり槍となり矢となりとなりましょう。
私たちに平穏を。
私たちに愛を。
私に心を。
〝私たちに、私にどうか翼をお授け下さい、大天使様。〟
『ほら、巡回行くよ。ほら、準備して。モモ!』
『えーやだー。昨日なんか何人導いたと思ってるの?大天使様』
『ぎゅーしたくないの?』
『…。する。』
『モモ、お姉ちゃんとは?』
『する。』
ぎゅー
『うっわ。きっもっ』
『アツミ寂しいんだー。入る?』
『いい!//』
『じゃぁ、行きますか。』
『我が名はモモ。我が心身は大天使様の元に。おいで、アキちゃん。』
彼女の名はモモ。モモの武器は槍。モモはアキが好きすぎて槍の名前は"アキちゃん"。そして、彼女の二つ名は"偏愛の信仰者"。モモの信仰対象はアキ。アキが神を信仰しろと言うのなら、モモはアキが信仰する神を信仰する。神への信仰心が皆無に等しい彼女になぜ神への信仰心を表す紫色の翼が授けられたのか、私たちには理解できない。私たち双子には翼が一つしかない。私たちの翼は二つでひとつ。どちらかが欠けていては、私達は天界に帰ることが出来ない。彼女の愛は彼女を救ったアキと姉である私のみに注がれる。彼女はアツミを信用していない。アツミは新参者であり、曰く付き。元悪魔だからだ。
私たち双子は悪魔に、穢を持ち、下界に住む者達にいい記憶がない。モモは普通に接しているが、絶対にアキと私の"翼"に触れさせることはない。アツミの持つ穢は私達天使を殺しかねない。偏愛というより、モモには依存の方が合っているのかもしれない。
『我が名はアスカ。我が導くは、救うは大天使様の愛を知らぬもの。モモが嫌がるから早く終わらせなきゃ。おいでなさいませ、我が守護者。』
ねねこと、私の実姉の名前はアスカ。彼女の武器は鎌。私が死神みたいで怖いと言った日からねねは自分の武器がカッコイイと言わなくなった。ねねの翼は桃色だ。私の名前と同じなので私はとても、嬉しい。あと、桃色は正愛を意味する。
正愛。これは偏愛を二つ名にもつ私に取って、コンプレックスのひとつだ。だって、私はねねとアキに愛を注ぐので精一杯なのに、ねねは。ねねは、平等に皆に愛を注ぐ。そんなねねが時々嫌い。あと、ねねは飛べない。私も翼は一つなのだけど、ねねは。ねねだけは、飛べない。でも、飛べなくてもねねには正愛があるから、きっともう。堕ちることはない。それに、ねねは私が守ってみせるから。大丈夫。
『我が名はアツミ。心を闇に堕とした者よ、心を清め我らが大天使様の美心と真心とともに天に還れ。共に守ろう大天使様を、おいでイズン。』
彼女の名前はアツミ。元悪魔だ。アツミの翼は赤色。本当かどうかは定かではないが、その赤色は大天使様の聖血なのではと言われている。元悪魔の天使など言語道断だ五大女神様たちは仰ったそうだが、大天使様の後押しにより晴れて天聖。そして、なぜそんな噂があるかって言うと、悪魔の翼は元々黒色。それを隠すために大天使様の聖血を浴びせたんじゃないかって話なわけだ。次は武器ね。アツミは悪魔だったときにスナイパーだったから、弓に特性がでたっていってたよ。それにちなんで、二つ名は純血のスナイパー。純血なんて皮肉たっぷりの名前授かっちゃって残念ってかんじよね。弓の名前はイズンって言うんだけど、理由は私達親衛隊ですら教えてもらったひとはいないみたい。あと、正直言って、何考えてるか分かんない。でも、まぁ、信仰心はそこそこ何じゃない?知らなーい。
『我が名はアキ。神の元に彷徨いし心を届けたもう。愛と信仰を正しい力に、神よ我らに祝福を、バイブル!』
彼女の名前はアキ。一癖も二癖もあるこのメンバーをまとめていることから二つ名は蒼煌の猛獣使い。双子は堕天しかけた元人間だし、私なんか、元悪魔だからね。彼女はこの世の五大女神様への信仰心の強さを戦闘能力の強さと比例させることが出来る。だから、アキの武器は聖書『バイブル』。因みに、アキには堕の攻撃は即効性がない。彼女が聖書から手を離さない限り、神は彼女を祝い、慈しみ続ける。アキは神に愛された天使が故に直接的に人を殺すことが出来ない。人を殺せば彼女の聖書が殺しただけ黒く染ってゆき、最終的には堕天してしまうから。
『なにこれ…また戦争?』
『今回は"核"ね。』
『ねね、核って何?私たちが下界にいた時はなかった。』
『効率的に人を殺す兵器よ。私が悪界にいた時に研究途中だったわ。アキは知ってるでしょう?』
『最近下界中で開発が進んでる爆弾よ。でも従来のものとは桁違い。神託によるとあれが下界を滅ぼしかねないそうよ。あんなの人間の所業じゃないわ。』
『そりゃ、悪界の対下界科が潜入操作してたもの。』
『潜入操作?!それって、聖悪下界相互不可侵条約に違反してるよね?神様は神託で教えてくれなかったの?』
『ねね、神様なんていると思ってるの?』
『こら、やめなさい、モモ。とりあえずあれをアマラガ王国とニハワ公国の中間地点で落とさなくちゃ。』
『『そうね』』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます